深海-ABYSS- クレール・ヌヴィアン
2011.10.31 Monday | by sanasen
真っ暗な深海に住む生物の写真図鑑。
妖しくも美しい軟体動物たちがまるで異世界のような深海にいざなってくれる。マリンスノーが本当に星みたいで、丸っこい深海生物は有機的な宇宙船に見えた。中には宇宙人そのものに見えてしまう奇怪な生物もいるけれど……。
軟体動物に比べると深海魚は本当におぞましいから困る。
気になった生物としては底生のパージェス動物を思わせるイツクチブンッブクの一種が挙げられる。お互いを刺でさし合うことで集団の密度を保つとは、ハリネズミのジレンマが通用しない生物である。いや、コロンブスの卵的な手段で解決していると言った方がいいのかもしれない。
集団の真ん中に位置する個体は餌のもらいが少なそうだが、襲撃を受けるリスクも少ない。リスクとリターンが釣り合った生態をしている。
他には異様極まるユビアシクラゲが印象的だった。まったく透明感のない重々しい色彩は、悪の宇宙要塞もかくや。こいつに食べられるのとクリオネに食べられるのでは気分が大分違うのではないか。
多くの学者がそれぞれの得意分野について解説しており、深海にまつわる名言も充実している。地球上に残された最後にして最大のフロンティアへの情熱が感じられる写真図鑑だった。でも、最大の生命圏の看板は「地下」に奪われそう。
深海【奇妙でカラフルな深海の世界】
妖しくも美しい軟体動物たちがまるで異世界のような深海にいざなってくれる。マリンスノーが本当に星みたいで、丸っこい深海生物は有機的な宇宙船に見えた。中には宇宙人そのものに見えてしまう奇怪な生物もいるけれど……。
軟体動物に比べると深海魚は本当におぞましいから困る。
気になった生物としては底生のパージェス動物を思わせるイツクチブンッブクの一種が挙げられる。お互いを刺でさし合うことで集団の密度を保つとは、ハリネズミのジレンマが通用しない生物である。いや、コロンブスの卵的な手段で解決していると言った方がいいのかもしれない。
集団の真ん中に位置する個体は餌のもらいが少なそうだが、襲撃を受けるリスクも少ない。リスクとリターンが釣り合った生態をしている。
他には異様極まるユビアシクラゲが印象的だった。まったく透明感のない重々しい色彩は、悪の宇宙要塞もかくや。こいつに食べられるのとクリオネに食べられるのでは気分が大分違うのではないか。
多くの学者がそれぞれの得意分野について解説しており、深海にまつわる名言も充実している。地球上に残された最後にして最大のフロンティアへの情熱が感じられる写真図鑑だった。でも、最大の生命圏の看板は「地下」に奪われそう。
深海【奇妙でカラフルな深海の世界】