パソコン・シミュレーション スペースコロニーの世界 福江純
2012.01.29 Sunday | by sanasen
機動戦士ガンダムや宇宙のランデブーで著名なスペースコロニー内で起きる諸現象について、物理計算とコンピューターシミュレーションを試みている本。
とっかかりこそガンダムだが、メインとなっているのはアーサー・C・クラーク御大による密閉型スペースコロニー“ラーマ”が描かれた宇宙のランデブーの方である印象を受けた。ある意味、宇宙のランデブーの検算をしているような雰囲気だ。
遠心力で疑似重力を作りだす回転体であるスペースコロニーにおいては、コリオリの力と回転軸に近付くほど(急速に)疑似重力が小さくなる効果が大きくて、地球上とは異なる様々な現象が予想されている。
それを導くための計算は、しょうじき手に負えなくておかげでハイスペースで読み進んでしまったが、計算が苦手な人間でもプログラムを手に入れることができれば数値計算によって幾らかの検証は可能になるだろう。
スペースコロニー内では大きさと雲の高さによっては、雨が横殴りで降りかかってくること――常に同じ方向に偏るので建物の形状自体が独自の影響を受けるかもしれない――潮汐はやはり重力源の方向に起こるが、大きさは天体の質量や距離を検討する必要があることなどが紹介されている。
堅い計算の数々を通じて、スペースコロニーのイメージを一層、豊かにできたと思う。
パソコン・シミュレーション スペースコロニーの世界 (目で視る相対論)
とっかかりこそガンダムだが、メインとなっているのはアーサー・C・クラーク御大による密閉型スペースコロニー“ラーマ”が描かれた宇宙のランデブーの方である印象を受けた。ある意味、宇宙のランデブーの検算をしているような雰囲気だ。
遠心力で疑似重力を作りだす回転体であるスペースコロニーにおいては、コリオリの力と回転軸に近付くほど(急速に)疑似重力が小さくなる効果が大きくて、地球上とは異なる様々な現象が予想されている。
それを導くための計算は、しょうじき手に負えなくておかげでハイスペースで読み進んでしまったが、計算が苦手な人間でもプログラムを手に入れることができれば数値計算によって幾らかの検証は可能になるだろう。
スペースコロニー内では大きさと雲の高さによっては、雨が横殴りで降りかかってくること――常に同じ方向に偏るので建物の形状自体が独自の影響を受けるかもしれない――潮汐はやはり重力源の方向に起こるが、大きさは天体の質量や距離を検討する必要があることなどが紹介されている。
堅い計算の数々を通じて、スペースコロニーのイメージを一層、豊かにできたと思う。
パソコン・シミュレーション スペースコロニーの世界 (目で視る相対論)