戦国繚乱記 壱〜群雄起つ、明智軍を追撃せよ! 河丸裕次郎
2013.04.29 Monday | by sanasen
長宗我部信親の境奇襲によって本能寺の変につづく戦乱の展開が狂う歴史シミュレーション。織田信孝はあっさり信親に討ち取られてしまい、山崎の戦いでの秀吉の敗北と、柴田勝家による明智光秀の撃破という結果を招いた。
天下を掌握するチャンスを得た柴田勝家だが、彼が烏帽子親をつとめた信孝はすでに亡いわけで、代わりに三法師を擁立しようとしたことから次の戦乱が近づいてくる。
信長死後の流動的な状況を巧みに活かした設定の作品だ。
勝家と光秀が激突した唐崎の戦いは、息子の心配をするあまり兵に強行軍をさせた光秀の自滅状態だった。子煩悩を前面に押し出していたとはいえ、情けない負け方だ。坂本城を含めて、ほとんどが佐久間盛政一人にしてやられている。
勝家は後ろでどっしり構えているだけで勝利。まぁ、合戦に勝つ側はいつでもそんなもの。史実の山崎の合戦でも関ヶ原の合戦でも大将の本陣は戦っていない。
だからといっていることに意味がないことにはならない点がおもしろい。
後半から出番の増えた織田信雄がずいぶんと人物を高めていて驚いた。しょうじき、この信雄は好きだ。たまには天下人になっても良いんじゃないかと思ってしまう。
戦が下手なら得意な人間に任せればいいという考えは分かるのだが、一歩間違えれば丸投げになりそうなところに危うさを感じないでもない。
戦国繚乱記〈1〉群雄起つ、明智軍を追撃せよ! (歴史群像新書)
勝家の表紙が濃すぎる。ふんどし祭りのポスターに似た顔があったよね……。
天下を掌握するチャンスを得た柴田勝家だが、彼が烏帽子親をつとめた信孝はすでに亡いわけで、代わりに三法師を擁立しようとしたことから次の戦乱が近づいてくる。
信長死後の流動的な状況を巧みに活かした設定の作品だ。
勝家と光秀が激突した唐崎の戦いは、息子の心配をするあまり兵に強行軍をさせた光秀の自滅状態だった。子煩悩を前面に押し出していたとはいえ、情けない負け方だ。坂本城を含めて、ほとんどが佐久間盛政一人にしてやられている。
勝家は後ろでどっしり構えているだけで勝利。まぁ、合戦に勝つ側はいつでもそんなもの。史実の山崎の合戦でも関ヶ原の合戦でも大将の本陣は戦っていない。
だからといっていることに意味がないことにはならない点がおもしろい。
後半から出番の増えた織田信雄がずいぶんと人物を高めていて驚いた。しょうじき、この信雄は好きだ。たまには天下人になっても良いんじゃないかと思ってしまう。
戦が下手なら得意な人間に任せればいいという考えは分かるのだが、一歩間違えれば丸投げになりそうなところに危うさを感じないでもない。
戦国繚乱記〈1〉群雄起つ、明智軍を追撃せよ! (歴史群像新書)
勝家の表紙が濃すぎる。ふんどし祭りのポスターに似た顔があったよね……。