ハトはなぜ首を振って歩くのか 藤田祐樹
2015.05.31 Sunday | by sanasen
ハトが首を振って歩くパラパラ写真付き!ふざけているのか、まじめなのか分からないおまけ要素のついた動物研究の一冊。疑問に思ったことをとことんつきつめる。これぞ学問である。
タイトルにあるハトが首を振って歩く理由についてはフリードマンの研究によって、目が横に向いた視点を固定するためだと、おおかたの予想がついている。「片目で立体写真を撮る」説も追加で有力みたいだが、目の配置を理由にされると、ハトに似た目の配置をした草食のほ乳類が首を振らない理由が気になってくる。
直接は説明されていないが、ほ乳類には首の骨が7本しかなくて可動範囲が狭いこと――鳥類は12〜13本。もっと多いものもいる――眼球を動かして対応できること、遠くを監視する用途が多いことあたりが理由かな?
首の動きは二足歩行の話でもあるので、鳥がみせる独特の移動方法「ホッピング」の話や、歩行と走行のエネルギー消費の関係など、興味深い知識が多かった。
そして、著者の文章にはユーモアがあって楽しんで読めた。
関連書評
ジュゴンの上手なつかまえ方〜海の歌姫を追いかけて 市川光太郎
パンダ〜ネコをかぶった珍獣 倉持浩
スキマの植物の世界 塚谷裕一
岩波科学ライブラリー ハトはなぜ首を振って歩くのか
タイトルにあるハトが首を振って歩く理由についてはフリードマンの研究によって、目が横に向いた視点を固定するためだと、おおかたの予想がついている。「片目で立体写真を撮る」説も追加で有力みたいだが、目の配置を理由にされると、ハトに似た目の配置をした草食のほ乳類が首を振らない理由が気になってくる。
直接は説明されていないが、ほ乳類には首の骨が7本しかなくて可動範囲が狭いこと――鳥類は12〜13本。もっと多いものもいる――眼球を動かして対応できること、遠くを監視する用途が多いことあたりが理由かな?
首の動きは二足歩行の話でもあるので、鳥がみせる独特の移動方法「ホッピング」の話や、歩行と走行のエネルギー消費の関係など、興味深い知識が多かった。
そして、著者の文章にはユーモアがあって楽しんで読めた。
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