深海を照らしてみた!世にも不思議な海洋生物

 ナショナルジオグラフィック

 タイトルもサブタイトルもちょっと内容からズレている。タイトルの方は英題の直訳みたいなのでしかたないが「海水を透明にしてみた」「海をスケルトン化してみた」の方が理解しやすい。前者は「海水が透明なのは当然じゃん」とツッコミを受けるので、照らしたと表現したのかな。
 光の届かない深海でもCGによって透明に表示してしまう映像作品だった。

 そして主役は海流の循環であって、海洋生物はそこにまとわりつく存在に近い。
 北大西洋からはじまった海水循環のたびが1000年かけて北大西洋まで戻ってくる様子が視覚的に表現されている。

 それなりに知られた深海よりも海の表面における渦巻く水の動きが興味深かった。喜望峰からブラジルまで渦が維持されたまま到達していて意外としぶとい。
 生物の拡散を考える上でも非常に有意義なデータに違いない。

関連書評
海水を抜いてみた!〜世にも不思議な海底地形 ナショナルジオグラフィック:姉妹版的な作品

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ナショナル ジオグラフィック 深海を照らしてみた!世にも不思議な海洋生物 [DVD]
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カテゴリ:ナショナルジオグラフィックDVD | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0)

睡眠の不思議 ナショナルジオグラフィック

 眠れなくなり最終的には死に至る恐怖の病気FFI。
 その患者の脳を分析することで人は睡眠への知識を深めていった。だが、いまだにFFIの治療法は発見されておらず、FFIを発症する可能性をもった人々は恐怖に苛まれながら日々を暮らしている。

 日本なら「苦しむかもしれないのに子供を産むなんて無責任」とか酷いことを言われそうだなぁ。人権をおさえる優性思想がまき散らされている。自分もそれに染まりかけていることを自覚してしまった。
 発症しない可能性もあるとはいえ、子供をもうけることが重い決断になるのも確かだ。なんで自分を産んだと親を恨んでしまう発症者もいたかもしれない。
 世界に40家族しかいないと言われていたのは40の家系かな?家族だと、いくらなんでも少なすぎる気がした。元の言葉はファミリーだろう。

 遺伝性の病気は不可抗力だが、アメリカ軍による捕虜を眠らせない拷問は恐ろしかった。11日間眠らせないなんて、社会復帰が不可能になる……人間を容赦なく破壊する国家の恐ろしさが伝わってくる。ジュネーブ条約違反だし。
 拷問抵抗の訓練を受けた人も勇敢だった。米兵なら誰もが課せられているとすれば、それもまた恐ろしい。

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ナショナル ジオグラフィック 睡眠の不思議 [DVD]
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カテゴリ:ナショナルジオグラフィックDVD | 22:57 | comments(0) | trackbacks(0)

ムシの考古学[増補改訂版] 森勇一

 遺跡から採取できる昆虫化石は大事な環境情報を発掘者に与えてくれる。昆虫化石の鑑定をおこなってきた著者による研究例が旧石器時代から江戸時代まで紹介されている。アンコールワットや長江文明など海外の事例もある。
 いや、考古学の枠を飛び越えて古生物学との協力までやっていて、昆虫同定という手法の強力さが伺える。

 著者は愛知県で活動しているので、愛知県関係の遺跡が多く、立地がだいたい想像できてとっつきやすかった。朝日遺跡はやっぱり気になる存在だ。昆虫からも草ぼうぼうの衰退具合がわかってしまって寂しい。日本中の限界集落がリアルタイムで似た昆虫化石の記録を地面に残しているのかな。
 愛知県が多い一方で活動は広範囲にわたっており出張が多くて大変そうだった。昆虫学会ではひとりで多くの種を扱っていることを同情されることもあるようだ。
 昆虫の鑑定については将来的にAIが利用できないものかと考えた。そこが自動化できれば古環境の復元が飛躍的に進むかもしれない。

関連書評
落ち葉の下の小さな生き物ハンドブック 皆越ようせい・著
バッタ ハンドブック 槐真史 文一総合出版
水生昆虫2 タガメ・ミズムシ・アメンボ ハンドブック

ムシの考古学
ムシの考古学
カテゴリ:歴史 | 21:57 | comments(0) | trackbacks(0)

マルコ・ポーロの冒険 ピエロ・ベントゥーラ絵

 ジアン・パオロ・チェゼラーニ文、吉田悟郎 訳。
 マルコ・ポーロの長い人生が薄い絵本にまとめられている。彼の本のダイジェストとも副読本とも感じられる。

 驚いたのはマルコの父親ニコロと叔父のマッフェオが一度中国を訪れていて教皇への使いをした帰りに15歳に成長したマルコを連れて行ったこと。そして、マルコと一緒にきちんと中国から生きて帰ってこれたことである。
 初見で、ハンの通行許可証なしで、中国までたどりついた父親と叔父の方が旅の偉業ではうえに感じられる。

 それなのにマルコの名前が歴史に残ったのは、残した本や記録によるところが大きい。元の首都ハンバリク(大都、後の北京)にはマルコたち以外のイタリア人、ドイツ人、フランス人もいたというから彼らにも名声を博すチャンスはあったはずなのだ。
 マルコたちが苦労したように皇帝に気に入られてすぎて帰れない人も多かったのだろう。また、マルコが出版の自由度が高かったヴェネチアの人だった点も大きく関係していそうだ。

マルコ・ポーロの冒険 (児童図書館・絵本の部屋 探検と航海シリーズ)
マルコ・ポーロの冒険 (児童図書館・絵本の部屋 探検と航海シリーズ)
カテゴリ:歴史 | 21:57 | comments(0) | trackbacks(0)

フランス世界遺産の旅 山田和子

 フランスは世界遺産の宝庫。ヨーロッパが仕掛けた観光政策の一手段と言われても納得の宝庫。フランスのランスも世界遺産に登録されていた。
 著者の趣味によって歴史文化遺産の比重が圧倒的に重く、自然遺産は巻末にちょっぴり載っているだけ。立ち入り禁止になっているラスコー壁画のコピーというラスコー兇気になる。それも歴史を帯びていけば、単体で歴史遺産になったりするのであろうか。

 宗教建築や絶対王政の産物、南フランスでは古代ローマの水道橋など写真で眺めるだけでも見所が多かった。
 個人的にもっとも衝撃を受けたのはステンドグラス。中でもシャルトルの大聖堂のステンドグラスである。日本だったら地震で損壊して遺らないんじゃないかなぁ……。地盤の安定した北フランスの歴史をそんな部分にも感じた。
 ガラスの色をよく考えて巧みに配置したステンドグラス職人の個人的で宗教的情熱にいろどられた工夫を想像すると、彼らの技がいまにも生きていることが奇跡に思える。
 シャンボール城では有名なレオナルド・ダ・ヴィンチの晩年の仕事もうかがるようだ。

 キリスト教第三の聖地であるサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼道が、各道だけでそれぞれ別に登録されていることに扱いの良さを感じた。

フランス世界遺産の旅 (ショトルトラベル)
フランス世界遺産の旅 (ショトルトラベル)
カテゴリ:雑学 | 21:56 | comments(0) | trackbacks(0)

にっぽん百名山 中部・日本アルプスの山1 NHKエンタープライズ

 鹿島槍ヶ岳と五竜岳から御嶽山までの中部・日本アルプスの山を山岳ガイドと共に巡る映像作品。屈強のカメラマンにとっては優しい部類の撮影に入る?日帰りできそうなところでも、余裕をもって一泊しているし……むしろ、山小屋に泊まるのも目的のひとつという感じだ。
 ガイドがそれぞれ個性的で、でもみんな痩せているところは一致していた。登山者に向いた体型がなんとなく見えてくる。
 中でも印象的だったのは背負子や杖を使っていた御嶽山の強力の人だが、今は何をされているのだろうか。ゆいいつ登った経験があることと、噴火災害があったことから御嶽山は注意深く視聴した。
 賽の河原や池、日本最高の位置にある滝など見所も多い。

 信仰の山としては立山も古い歴史をもつそうで、200年前でも一夏に6000人が登ったとのことだった。登った人数は少数だろうけど、修験者が実は登頂済みだった劔岳のエピソードもおもしろい。

にっぽん百名山 中部・日本アルプスの山I [Blu-ray]
にっぽん百名山 中部・日本アルプスの山I [Blu-ray]
カテゴリ:映像資料 | 21:56 | comments(0) | trackbacks(0)

ジブリの猫たち 宝島社

 「猫の恩返し」上映にあわせて出版されたらしいジブリと猫の本。猫の恩返し以外の作品からも猫が紹介されているが、期待したよりも少なくて猫バスとジジが主力である。「耳をすませば」にも猫は出ているのだが、猫の恩返しと共通の世界という感じで本書での存在感は弱かった。

 ジブリスタッフにより自分の猫自慢やジブリ周辺の野良猫写真は、どうでもいい感じがどうにもいい。
 牛子と呼ばれる牛柄の猫については覚えてしまった。しかし、15年前の本だから元気にしているかなぁ……。

 インタビューでは鈴木プロデューサーが流石にいいことを言っている。15年前から激動の時代で、若者はがんばりにくいと思われていたのか。参ってしまうな。
 自分が「猫の恩返し」のダイジェスト紹介で感じたのは、価値観の違う世界はほんわかして見えても落とし穴があるってことで、主人公の成長ではなかったが、それは通してみないと分からないのだろう。

ジブリの猫たち
ジブリの猫たち
カテゴリ:写真・イラスト集 | 21:55 | comments(0) | trackbacks(0)

碧濤の海戦2 米豪交通路を遮断せよ! 高貫布士

 実際の太平洋戦争もこんな風に展開したらなー。夢のまた夢ながらついつい妄想してしまう。
 東サモアを占領した日本軍は、そこからアメリカの輸送船団を攻撃する。呂号潜水艦と陸軍空母が活躍する異色の展開に。1巻目よりも筆が乗っていて、そこそこ読みやすかった。
 尋常小学校から同期の偵察コンビのエピソードがなんか引っかかる。

 オーストラリアが白豪主義で日本に敵意を燃やしているところは執筆当時の情勢を反映しているのかな。さすがに単純すぎる気はした。
 昔の日本が今の中国になって、オーストラリアを刺激している気がしないでもない。

 戦争はハワイを落としてアメリカと講和の流れになっている。真珠湾奇襲がおこなわれず、アメリカが先に仕掛けてきた戦争なら史実よりは可能性があるかなぁ。

碧濤の海戦 2 (ジョイ・ノベルス・シミュレーション)
碧濤の海戦 2 (ジョイ・ノベルス・シミュレーション)
カテゴリ:架空戦記小説 | 21:49 | comments(0) | trackbacks(0)

碧濤の海戦 米機動部隊、小笠原奇襲! 高貫布史

 ミッチャーひきいる空母三隻の機動部隊が日本の小笠原諸島を奇襲攻撃する歴史シミュレーション。それが開戦直後の奇襲というわけでもなく、ドゥーリットル隊の攻撃が小笠原空襲に置き換えられた感じである。ほかにも様々な変更点が物語の途中で明らかになる。
 正直、整理しきれない。ミッドウェーは日本が占領したのか、していないのか。アメリカに奪い返された可能性もなくはない。

 ドイツとイギリスの兵器が日本に流れ込んでいて、中国との戦争状態が避けられている点などは非常に大きい。
 誉エンジンはいつも通りの不調ながら、機種更新は比較的うまく進んでいて、零戦に金星エンジンを載せた零戦54型の配備が進んでいる。

 全体的にアメリカにとって戦いにくい条件になっているのだが、逆に考えると現実の日本が周囲に喧嘩を売りまくってアメリカにとって戦いやすい条件を整えてしまったことが見えてくる。
 作中で展開された基地航空隊と空母機動部隊を連携させての迎撃作戦は、太平洋戦争後半に日本が考えていたものに近そうだ。比較的安価な航空機の数勝負なら艦艇の数勝負よりもまだ資源の少ない日本に有利である。

碧濤の海戦 (ジョイ・ノベルス・シミュレーション)
碧濤の海戦 (ジョイ・ノベルス・シミュレーション)
カテゴリ:架空戦記小説 | 21:48 | comments(0) | trackbacks(0)

サプリメント大図鑑 佐藤務・稲葉貴洋

 副題は「サプリメントの「?」が一目でわかる!」
 ?が分かるようにまとめられている一方で、新しい?を生むサプリメントのキャラクター化に挑戦してしまった本。ぶっちゃけ語感からデザインしていそうなキャラクターがたくさん並んでいる。ビタミンAなどは、わかりやすくAのシルエットを持っていたりする。

 サプリメントで栄養を摂取することにこだわらず、それらが含まれる食品についても紹介してくれている。
 とりあえず牛乳とゴマを食べることを心がけることにした。牛乳は最近、電子レンジで温めて飲めているし、ゴマはゴマドレッシングでとりまくっているが。

 効果の逆に不足した場合の問題点も書いている。そこは定量的でないと恐怖を感じすぎて、食べ過ぎてしまう人もいるかもしれない。最初の説明で、ちゃんと定められた以上の量はとっちゃいけないと書いてあるのだが……。
 なお、ハーブのバレリアンだけは「摂りすぎると…」と、過剰な場合の問題点が紹介されていた。

関連書評
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サプリメント大図鑑
サプリメント大図鑑
カテゴリ:雑学 | 21:47 | comments(0) | trackbacks(0)
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