ウェストマーク戦記2〜ケストレルの戦争 ロイド・アリグザンダー/宮下嶺夫

 新しい女王を戴いて落ち着かないウェストマーク王国。その混乱に国外追放されたカバルスや国内の不穏分子がつけ込んで、隣国のレギア軍を侵入させる。
 アメリカ独立戦争を思わせる泥まみれの戦いがはじまる。

 ナポリオニックができるのに、華々しい会戦が目立たず、テオが経験した無惨なゲリラ戦がメインだった。虐殺は行われているが、暴行が描写されていないだけ、これでも子供向けなんだよな……リアリティとのバランスの取り方が難しい。
 まぁ、王族については身分を明かしさせすれば名誉ある扱いを受けられる気もするが。

 フロリアンとジャスティン、それにテオと若い世代の活躍が目立つ点が気持ちよかった。新鮮な魂を戦場の毒で腐敗させてもいるが……主人公であるテオがここまで劇的に変化してしまうのは読者としても辛いものがある。
 仲間も決して一枚岩ではなく、裏切りが日常的に繰り返されている様子が辛い。
 それでも何とか現実は理想に近づく方向に向かっている。若者たちの意志は偉大と思いたい――歳を取ってから新しい若者の邪魔にならなければ。
 ミックルとテオの絆である「指ことば」が活躍しなかったのは残念だった。

ケストレルの戦争 (ウェストマーク戦記 2)
ケストレルの戦争 (ウェストマーク戦記 2)
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ウェストマーク戦記1〜王国の独裁者 ロイド・アリグザンダー/宮下嶺夫

 印刷工見習いの孤児が小さな騒動をきっかけにウェストマーク王国の将来を決める大問題に巻き込まれていく。架空の世界を舞台にした作品。ただし、魔法は出てこない。マスケット銃が出てくる。
 宰相のカバルスがわかりやすい悪役で、あまりのわかりやすさに感心したが、本物は案外あんなものかもしれない。自分から言い出して、跡継ぎのいない国王の養子になって王位を乗っ取ろうとか、直接的すぎるよ。子供向けの作品だから、あえてそうしたのかな。
 彼のキャラクターは人は多くのものをあっさり諦めるが権力だけは諦められないという革命家フロリアンの言葉に説得力を与えている。
 他にも兵士は半分は殺すのが仕事で残り半分は殺されるのが仕事みたいな気が利いているだけに留まらない哲学を感じさせるセリフがいくつかあった。
 いちばん良かったのは帯の解説文だが、善が悪を倒すには時間が掛かると言うから1巻では終わらないと思ってしまった。

 旅のはじめに出会った浮浪児の少女ミックルの正体は、予想通りすぎて意表をつかれた。恋愛に思ったよりも障害がなさそうなことにも驚いた。惚れっぽい主人公だと思ったけれど、狭い世界で同年代の女の子と触れ合わずにいたなら無理もなかった。

 地形ではベスペラ川の河口部にある砂嘴「フィンガーズ」の設定が好き。ちょっとミシシッピ河っぽい。フィンガーズの住民は……凄いな。
 戦記というほど戦っていなかったけれど、フロリアンが潜伏している限り戦いの可能性は眠ってくれない。貴族出身者が君主制の打倒を目指して、平民出身者が君主制を守ろうとしている構図は皮肉が効いている。その平民出身者が宰相にまでなってしまったし、平和に身分制が崩壊しそうな気がしなくもない。

王国の独裁者 (ウェストマーク戦記 1)
王国の独裁者 (ウェストマーク戦記 1)
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西風の戦記(ゼピュロシア・サーガ) 田中芳樹

 ギリシア風(解説によればビザンツ風。解説がゆいいつ役だった情報。確かに「ギリシアの火」が出てくる)の架空国家ゼピュロシアで繰り広げられる内乱を、現実の世界から飛んでいった高校生の目から追うファンタジー。といっても超常現象は人間が異世界に飛ぶこと以外に存在しな――港町ザラを襲った高潮はどう考えても異常だった。
 まず、三年に一度おこる自然現象なのに、流される位置に家屋が建っていることがわけわからない。高潮に船を乗せて、河口の阻塞を越える作戦を作戦と呼んでよいものか……。
 それまでの戦闘描写はよかったのに、かなりもったいないことをしたと思う。まぁ、ファンタジーだからなぁ。

 西風の王国のお家騒動やレオン・パラミデュースが反乱を起こしてからの展開は非常にテンポよく描写されていて、目新しい情報が多いはずの架空世界ファンタジーの弱点をほとんど感じさせなかった。
 ギリシア語を名詞に応用している関係で、多少は親しみやすさが残っている影響もあるように思われる。
 てすさびに小説を書いてみたりする身には感嘆させられることしきりだ。できるだけ盗みたい。

 反乱軍率いる惰弱公あらため獅子公レオン・パラミデュースと正規軍率いる夜叉公主アポロニアの最大の決戦であるメッセンブリアの戦いは、展開を追っていてかなり楽しめた。とりあえず手書きで戦況図を描いてみたい。
 地形の把握は難しいところだが……。
 森から追い出されたイノシシによって戦いの流れが少し変わる展開も、そういうこともあるかと納得できて面白かった。
 アポロニア得意のカラコール(車がかりと字を当てるのが楽しい)戦術は地形を考えないと、かなりダメな感じだ。本来はそういう戦術なのに「必勝戦術」化してしまったことで、使い手に墓穴を掘らせてしまった印象がある。
 それもまた軍事史の1ページらしくて良し。

 レオンとアポロニアの恋愛については――口絵のシーンがどこかわかってから観直すと感慨深いものがある。ゼピュロシアではいとこ婚はありなのね。
 そういえば偏西風のおかげで雨が大量に降ると言うことは、西海岸にありながら、沿岸の海流は暖流なんだろうなぁ。この世界の大陸配置をなんとなく想像させる設定だった。
 あと、ミハイル王がんがれ。超がんがれ!妹と従兄弟が駆け落ちして、内乱でボロボロのところを隣国に侵略されたけど自力で何とかしよう!!

田中芳樹作品感想記事一覧

西風の戦記(ゼピュロシア・サーガ) (講談社ノベルス)
西風の戦記(ゼピュロシア・サーガ) (講談社ノベルス)
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これはゾンビですか?16〜まあ、さいきんはとくに 木村心一

 さいきんじゃなくてウイルスだって作中で言っていたじゃないですかー!抗生物質が効かないウイルス。更生指導が効かない京子ちゃん。どっちも恐ろしい。
 今回はノロウイルスにラノベキャラが苦しむ話と言うことで、容赦なく下痢や嘔吐に見舞われている。実に生々しい。
 それでも、トモノリやハルナなら受け流せるが、典雅な大先生が諸症状に苦しんだことを想像してしまって……人類でも方法さえ選ばなければ魔装少女に対抗できそうじゃん。

 まぁ、連中には記憶操作があるから、生物兵器の実験も一筋縄ではいかないか。
 歩にキスの呪い(生物化学)を掛けられた大先生の反応が初々しくて良かった。でも、実力差を考えるとちょっと無理なんじゃないかなぁ。
 故意にスカートをめくられるは、故意にキスされるは、大先生は歩からエロいことをされる珍しいキャラである。でも、殺してはもらえないのだった。
 そういえばクリスはカラーページに出てきておいて本編では出てこなかったな。次回は出番のあることを期待する。

 戦闘においては「ユーは俺がおいてきた。言霊は強いがハッキリいってこの闘いにはついていけない……」になっていて――最初から戦闘要員じゃなかったからな。
 あそこまでの緊急事態ならハルナの病気をユーの言葉で治して、参戦してもらえと思ったんだ。
 焼き肉とラーメン食べたい。

 感想がとりとめもなくグダグダになってきたところで、最終刊の気配が濃厚な次を待つ。しゃーなし以外に何が言えようか。

木村心一作品感想記事一覧

これはゾンビですか? (16) まあ、さいきんはとくに (富士見ファンタジア文庫)
これはゾンビですか? (16) まあ、さいきんはとくに (富士見ファンタジア文庫)
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これはゾンビですか?15〜はい、どっちもあたしです 木村心一

 魔力が無尽蔵に必要なら、永久機関をつくればいいじゃない?という無茶苦茶な理屈で、天才魔装少女悪魔男爵ハルナちゃんが一人にして二人力を発揮して大発明をなしとげてしまう。いかにも暴走しそうで、世界が滅びる悲劇につながる気がして怖い。そのまま放っておいても緩慢な滅びに到達しそうではあるけどさ。
 まぁ、いざとなったら無限の属性をもった歩やユーに何とかしてもらおう。
 最初の機動にサクリファイスが必要という問題に関してはセブンスアビス狩りをサクッとサクリファイスしておけば良いんじゃないかと本気で思った。ベー郎、死ぬがいいよ、ベー郎。
 大先生に任せておくと京子を生け贄にしそうで怖い……されても無理のない側面をもっているとはいえ。あのおっぱいがなくなるのは世界の損失だ。

 今回は料理屋で大先生を接待ということで、正面切ってのバトルより接待の多い作品になっている。それでもメガロ行列やオリジナルハルナの修行はあったが……主人公が最強を目指さない路線はちょっと新鮮。拳法を習えば強くなれることを自覚しているのに、まったく興味を示さないのはどうかと思う。大先生は多忙にしてもセラに修行を受けることにして、ついでにセクハラしておけば美味しいのに。あるいはクリス(おっさん状態)と実り多い放課後を。

 ハルナが二人に分裂したときのキャラクターは、オリジナルハルナがなかなか新鮮だった。知ったかぶりだが、引っ込み思案のところが面白かわいい。分裂したままなら歩を落とせそうだったので、他のヒロインも再融合に協力するよね!黒い黒い。
 セラが歩をデートに誘うものの不発したところにツンデレの悲哀を感じた。

 最後にあとがき、今後セラモデルさんの話をする機会は結婚報告だけにしてください。イラッ。
 発売日が4月1日なら自由に解釈できたのに。

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これはゾンビですか?15はい、どっちもあたしです (富士見ファンタジア文庫)
これはゾンビですか?15はい、どっちもあたしです (富士見ファンタジア文庫)
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四方世界の王3〜40の智は水のごとく流れる 定金伸治

 イバルピエルと100人の仲間たちが、圧倒的なアッシュール軍を翻弄し、ついにはイシュメ・ダガンを捕獲する。
 まるで詐欺にあったみたいな状況で、イシュメ・ダガンに深く同情せざるを得ない。常識的にありえない寝返り策を四回連続で成功されてしまってはたまったものではない。
 神でなければ薬物でも併用したんじゃないかと思えてくる。まぁ、酒の力は借りているが。
 イバルピエルは挿し絵でも優遇されているーー乳首券の発行もされているが――感じだったが、あとがきによれば作者も同じように思っていたみたい。

 シッパルの方ではナムルがイバルピエルとはまた違う人たらしの才能を開花させて、エリシュティシュタルを手なづけた。おかげでシャズを含めた三角関係ができてしまったわけだが「惚れた弱み」がシャズとエリシュティシュタルの側にある以上、ナムルの最終的な勝利は揺るがない。
 シャズの予言によればアウェール・ニンウルタも誑かされてしまうみたいだし、ナムルのハーレムは強力だ。

四方世界の王3 40(エルバ)の智は水のごとく流れる (講談社BOX)
四方世界の王3 40(エルバ)の智は水のごとく流れる (講談社BOX)
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四方世界の王2〜あるいは50を占める長子 定金伸治・記伊孝

 まずはウル第三王朝の二代目、シュルギ王がご登場。自分をたたえる文章を数多く残しているため、考古学者に文章ごとに記号を振られている史上初のナルシストキングさん、こんにちは!石版読みも「またおまえか」って呟いているよ、きっと。
 あれを書記候補生の教材にすれば洗脳が捗ったに違いない。さすがに良く考えていると感心せざるを得ない。さすがは当たり前の改革を当たり前にやって、当たり前の成果をあげた秀才王さん(彼がやるまでは当たり前が見つかっていなかったんだろうけど、利害関係が複雑すぎる現代の政治家はには羨望の的に違いない)。
 それにしても文字を使いこなせる古代メソポタミアの王は、どうしてナルシストが多いのか……使いこなせても自慢しない王は、文字が使えること自体を自慢しないからかな。この世界のハンムラビのように。もちろん、文字を読めないナルシストもいる。
 シュルギの妃を見ていると、1巻でシャズの方がナムルにベタ惚れなのだとシャムシ・アダドが言っていた空気が分かる。互いの心を読むのに長けた男女のペアが多い作品である。
 主人公たちは発展途上だが、以心伝心も時間の問題。リム・スィーンの技はイシン伝心なんちゃって。
 男女のペアで考えると、イバルピエルとマシュクムの関係が困ったことになるが、あの二人はまぁ、そういうことで。サムスイルナやイシュメ・ダガンみたいに余った人間が可哀想に感じる。シッパルの知事アウェール・ニンウルタには「なかまだとおもっていたのに、りあじゅうばくはつしろ」としか。

 シャズやシャムシ・アダドの動きが四方世界情勢にリンクしていて、収まるところに意味をもっているところが凄かった。シャムシ・アダドとリム・スィーンの間に張り巡らされた無数の糸をつまんで、高次元のあやとりをしている感じだ。
 ひたすら勘で片付けているイバルピエルも違う方向で見事。エラムにデールを落とさせれば、ラルサとの国際問題も最小限――と思っていたんだけど、リムさんは目敏かった。
 史実ではシャムシ・アダドの一強で、ラルサは遠すぎただけなんじゃないかと思っているんだが。後の国際情勢を語ったマーリ文書に辻褄を合わせるには、ラルサの勢力を後退させないとおかしくなる。
 アッシュール没落後はハンムラビもイバルピエルもリム・スィーンと互角になっちゃうんじゃ……エラムをうまく使えばバランスできるかな?

 最後に自重をまったく知らないエレールさんには、たまげました。彼女の「夢(と書いてあくむと読む)」語りには、父子は守備範囲外なのに不覚にも興奮してしまった。
 まったく読者の想定年齢はいくつなんだよ……火の鳥を小学校の図書館に置くなよ。
 彼女がひねり出した娘を銀だとする理論にもなかなか説得力がある。さすがにリスキーなんですがねぇ。まぁ、幸せにやってくだしあ。
 しかし「シャムシ・アダドにはなれなかっただけ」のイシュメ・ダガンですらあんなに罵倒されるなら、ワイン好きの駄目次男ヤスマフ・アッドゥは首吊り確定なんですが……お兄ちゃんは今後成長するのかな。余計立つ瀬がない。

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漫画版:四方世界の王2巻感想

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2巻の表紙絵がいちばんの気に入り
カテゴリ:ファンタジー | 00:34 | comments(0) | trackbacks(0)

四方世界の王1〜総体という名の60 定金伸治・記伊孝

 人の心が暗闇からやっと抜け出した遙か昔、古代メソポタミアを舞台に繰り広げられる冒険譚。書記を目指して神殿に併設された学校に通う少年、ナムル・ナーシルは不思議な少女シャズ・フラシュムと出会い、彼女の邪悪な陰謀に巻き込まれていく。
 世界最古の”書かれた”文学作品は、書記の学校に通う少年のものだと言われるが、その由緒正しい道筋に則ってボーイミーツガールの王道を展開している。
 ただし、登場人物の性格は古代メソポタミア人であることを差し引いてもエキセントリック。ねじの飛んだ言動で読者をハラハラさせてくれる。
 ナムルの物の見方は変わっていて、空中から自分を見下ろすように、周囲を捉えている。それがプラスに働くことが多いのだが、シャズの事になると冷静さを失ってしまうのだった。
 肝が据わっているように見える彼への周囲の評価がおもしろい。

 まだ製鉄技術が発見されていないほど古代の描写については、ナムルの同僚による豊富な資料があるおかげもあって、具体的に描かれており興味深い。
 教師への賄賂が行われていたなどの豆知識にはニヤリとした。言葉遣いで相手の出身地を見抜いたシーンにはビックリだ。
 記伊孝先生のイラストも古代メソポタミアの空気にあっていて想像の枠を広げてくれた。まぁ、漫画で先に知っているので、どうしてもそっちのイメージに引きずられるのだが。

 ラガマール一門とイシュタル一門の抗争は漫画と違う展開をみせており――というか漫画が原作と違う展開をみせているのだが――スパイに関する兵法の用語なども出てきて楽しめた。
 あと、四次元幾何学の知識もあったな。

漫画版感想
四方世界の王1巻 定金信治・雨音たかし

四方世界の王 1 総体という名の60(シュシュ) (講談社BOX)
四方世界の王 1 総体という名の60(シュシュ) (講談社BOX)
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これはゾンビですか?14〜はい、どうせひきこもりだけど 木村心一

 冥界と魔法少女と吸血忍者の指導者(代理)が一堂に会してのサミットが行われる。相川家は世界の中心となった。いや、世界達の中心と表現するべきか?
 冥界とヴィリエが直面している寿命がなくなったことによる人口問題は結構SF的でシリアスなテーマだった。魔法少女レベルまで行ってもテラフォーミングやスペースコロニーの建設は難しいのかなぁ。大先生が創り出したような異空間は、1人で100万人を支える方向の手段か。
 女王の悩みは同情できる難しさだ。魔王みたいに倒せば終わりのわかりやすい敵ではないため、非常に始末が悪い。男の地位が低い世界だし、ヴィリエで男の虐殺が行われないだけ、マシなのかもしれない。

 リリアが歩とのキスを好意的に考えはじめていることにはニヤニヤして、すみません。頭領の娘でもある彩香にも好かれてしまっているし、ハーレム化待ったなしだな。どうせ、正妻はユーなんでしょうけど。
 各世界で人口爆発が問題になっているのだから、ゾンビは自重しろ……吸血忍者のキス結婚も見直せ。
 またもや衝撃的現場を目撃した平松は可哀想だったが、三原とデートしている織戸はもはや憎い存在だ。三原が乙女の小心で、妙ちゃんに一緒に来てほしがったのだろうなぁ。ゆるすまじ(血涙)。

 地味に、ふうりんかにゃんがこたつの魅力を知ったことが大きな伏線になるはず。最強の魔装兵器もこたつを見せれば二行でアヘ顔ダブルピースだにゃん。
 威厳もへったくれもない地獄の番人ケルベロスハーフはあれでいいんですか、ね?

 黒幕とのバトルは「食らう」の表現がエログロで、ライトノベルにしては強烈だった。そもそも魔装少女姿のおじいちゃんがインパクトありすぎる。元勲老は、なにもかにもが、禍々しい。
 発動した彩香のリンクとハルナの読みは最強の「リンチ」システムだな。女王すら、ふうりんかにゃんなしでは危ないのではないか。まぁ、連鎖を畳みかける前に、広域破壊魔法を発動されたら厳しいが――歩がキスすればいい。

 さて、吸血忍者の騒動が治まったと思ったら、今度は冥界が動き出した。獅子舞の忍者もイラストがほしいなぁ。歩からずいぶんなセクハラを受けてしまっているわけで、今後の態度が気になる。
 あと、ドゥラークは死なないでくれ。頼む。
 期待の新キャラにして頭領の娘、アイドルNo.1の彩香が思いっきりイロモノアイドルだった事には、ずっこけた。ねぇいいの?本当にこんなのが一位でいいの!?
 貞子的な霊が出てきたときの反応が可愛い。

木村心一作品感想記事一覧

これはゾンビですか?14  はい、どうせひきこもりだけど (富士見ファンタジア文庫)
これはゾンビですか?14 はい、どうせひきこもりだけど (富士見ファンタジア文庫)
カテゴリ:ファンタジー | 06:50 | comments(0) | trackbacks(0)

これはゾンビですか?13〜いいえ、全く記憶にございません 木村心一

 裁判の話と同じく長編の間にさしこまれた短編集だった。微妙に本編とかかわっていて、読んでいないと理解の妨げになるからタチが悪い。まったく!角川グループはまったく!
 スピンオフで先に読んでしまった話も多くて、元なのに二番煎じを飲んでいるような不思議な感覚を味わった。おかげで頭の中で映像化しやすいことは強みだな。

 巨乳学園でユーがハルナを出さなかったのは、最大のライバルだと無意識下で認めているせいかもしれない。胸は小さくとも、10巻での活躍はそれくらい大きかったからな。
 すべてを騎馬でやりぬいた体育祭は、やはり戦術描写がおもしろい。織戸はジュース63本もおごらなくても、三原の馬になってやれば良かったのでは?取引の詳しい事情がかなり気になる。犠牲になった女子は三原の想いをくんで我慢したのだろうか。

 感動シーン再現はパロディ連発で滑りまくっていた。ほぼ最初に思ったことをオチで言われたよ……アホのトモノリにすら分かるネタに自分の知らないものがあると、非常に苛立つ。仲が良ければ良いだけ、疎外感を覚える。
 セラもこんな気分だったのかな――むしろ、良く我慢したと思えてきた。でも、足利義輝の辞世の句は分かりませんでした、ごめんなさい。

 最後は平松を1万票とするあからさまな不正によって、三者会談が決定した。民主主義的にそれはちょっと……でも、おそらく冥界もヴィリエも吸血忍者も指導者に権力を集中させた体制なんだよなぁ。
 あんな形で議論したことが不思議なくらいかもしれない。ある種の「謀反」と受け取られなければ良いのだが――特に大先生。

 冥王が刺された急展開は下手人がペンギン型メガロの姿をしている気がして仕方がない。頭領一人では女王に立ち向かえないだろう。一体どうするの?

木村心一作品感想記事一覧

これはゾンビですか?13    いいえ、全く記憶にございません (富士見ファンタジア文庫)
これはゾンビですか?13 いいえ、全く記憶にございません (富士見ファンタジア文庫)
179Pでセラが、さらりとアホの子認定されていた。割とアホじゃないってことは、そこそこアホってわけで……
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