遺したい日本の風景沙蛎次‘本風景写真協会

 遺したいと自分たちの死を念頭においている凄い写真集。遺す主体が撮影者とも、日本国民全体とも確定されていないが、世代をつなぎたい気持ちは伝わってくる。
 しかし、キャプションでは過疎化の文字がよく踊る。たまに村おこしに成功している例もあって、いちぶの風景は生き残れるかもしれないと希望を抱く。
 東北地方の山村風景については地震による被害も心配だ。2010年11月の写真などがあって、現状がとても気になった。今後も多くの風景が地震や火山噴火の被害をうけて、変化を余儀なくされていくのではないか。
 それらを取り込んで変化し続けていくものも、アクティブな山村風景だったはずだが、そこまでのエネルギーはなかなか期待しがたい。TPPの影響が心配だ。

 個別の写真では長野県飯田市上村「霧かくれの里」がすごい光景だった。ほかの写真集でもみた覚えはあるのだが、なんど見ても感動してしまう。
 作物としては蕎麦と蒟蒻とのことで、昔の厳しい生活が想像できる。
 もう一枚和歌山県有田川町清水の写真はまるで丸馬出しのような形状をした田圃が興味深かった。川のカーブ部分に存在しているので、治水の力でしっかりガードできるようになってから開発された田圃なのかもしれない。

 多くの写真で野焼きの煙が確認できて、山村がいまも息づいていることを感じさせてくれる。野焼きの煙は山村の息吹である。

関連書評
日本民家紀行 高井潔 とんぼの本
合掌賛歌供\硬鍔美写真集

遺したい日本の風景 (6) 山村
遺したい日本の風景 (6) 山村
カテゴリ:写真・イラスト集 | 22:43 | comments(0) | trackbacks(0)

野生動物カメラマン 岩合光昭

 猫写真の人としても知られるが本領は海外での野生動物撮影にある著者によるいろいろな野生動物の紹介と、撮影論。
 自らを対象に一体化させるような姿勢での撮影は聞いているだけでもスリリングであり、ちょっと真似できそうにない。野生動物に遭遇したとき、シャッターを切る行動に意識を奪われてしまう自分はその雑念でやられてしまいそう。

 ほ乳類なら大丈夫といいながらもホッキョクグマには危険性を感じていることが面白かった。他でホッキョクグマは比較的安全な動物と読んだ記憶もあり、感覚の違いが興味深い。
 でも、裏表紙の花畑のホッキョクグマは絵本の中から出てきたみたい。

 アフリカの話ではチーターが草原のブービーとされている点が記憶に残る。ハイエナなどよりも弱く、ジャッカルよりはマシだが肉食動物同士の争いでは調子が悪いらしい。
 母チーターが4頭の子供を連れた写真はとても良かった。

 多くのペンギンで両足の太さが違う話は気になる。興味がないと言い切るイギリス人研究者もずいぶん偏屈だな……。日本の武士が刀のせいで足の太さが違ったらしいのを思い出した。

関連書評
極限の世界にすむ生き物たち 長沼毅
サボり上手な動物たち〜海の中から新発見! 佐藤克文・森阪匡通

野生動物カメラマン (集英社新書)
野生動物カメラマン (集英社新書)
カテゴリ:写真・イラスト集 | 18:47 | comments(0) | trackbacks(0)

八九式中戦車写真集 吉川和篤

 八九式中戦車には軽戦車時代があった。ガソリンエンジンの甲型とディーゼルエンジンの乙型もあった。
 塹壕を乗り越えるための橇が追加されたり、トルコ帽形のハッチがあったりと、意外と派生の多い八九式中戦車の写真集。

 あまりに多くの八九式中戦車写真が出てくるので日本が戦車大国であった気分に浸れるが、総生産数が404台だったと書いてあって夢から覚めた。
 そりゃ戦場ではNOT FOUNDだわ……。

 初期にあった37ミリ戦車狙撃銃搭載型の八九式中戦車が気になる存在だ。対戦車戦なら、57ミリ砲タイプよりも使えた可能性はないかなぁ。
 まぁ、いくら改修をしていてもノモンハン事変の時点で古いのは否めないか。

 西住戦車隊長のことをはじめて知った。彼の八九式中戦車は写真で「みほ号」と読めるが実際には汚れのせいで「みずほ号」なんて豆知識もある。
 あとがきでは直接名前はあげなかったが、ガールズ・パンツァーに少し言及があった。

関連書評
ディーガー欺点鐚vsシャーマン・ファイアフライ〜ノルマンディ1944
パンターVS.T-34〜ウクライナ1943 ロバート・フォーチェック
ティーガーVS.IS-2スターリン戦車〜東部戦線1945 デヴィット・R・ヒギンス

八九式中戦車写真集 (~軽戦車時代から乙型まで~)
八九式中戦車写真集 (~軽戦車時代から乙型まで~)
カテゴリ:写真・イラスト集 | 18:36 | comments(0) | trackbacks(0)

ToLOVEるキャラクターズファイルVOL.4ヤミ&美柑with ToLOVEるGIRLS

 やっと本編……だが、美柑のサービスカットは乏しくて寂しい。ヤミと美柑がセットになるのは分かるけれど、その他大勢のキャラクターはごった煮感が強い。
 宇宙人や幽霊だから、ある意味での統一は取れているかな?セットにされる「妹」とは……幼馴染ならわかるけど!

 まぁ、基本的にサポートキャラの集まりであった。マジカルキョーコはその中でも異色。そもそも別の漫画のキャラクターであるし、絵が同じでも微妙に馴染まない印象。
 それも強みになるのかな。

 美柑の声優がきついことを言っても、かわいく聞こえるように心がけているとコメントしていて、視聴者目線を意識する妹はたいへんだと思った。
 妹ならかわいいのは当然なのだから、キツいまま言ってもいいとはならない。

To LOVEるキャラクターズ・ファイル VOL.4 愛蔵版コミックス ([特装版コミック])
To LOVEるキャラクターズ・ファイル VOL.4 愛蔵版コミックス ([特装版コミック])
カテゴリ:写真・イラスト集 | 21:27 | comments(0) | trackbacks(0)

ToLOVEるキャラクターズファイルVOL.3 彩南高校GIRLS

 6人をひとまとめに!古手川唯がトップで、天条院沙姫が二番手、春菜の親友二人と、沙姫の付き人二人が団子状態になって続く。
 ツンデレの唯人気を考えれば、沙姫はいい扱いをしてもらえているなぁ。彼女を担当する声優のコメントがいちいちツボに入った。金にものを言わせてって……。

 春菜の友人である籾岡里紗の水着イラストに、腹部に口にするのははばかられる物がついているように見える絵があって動揺した。
 水着の形態と影のせいで、そう見えてしまうだけだった……本当に偶然であって、意図してのものではないと思いたい。
 いくらToLOVEるでも限度がある。

 ヒロインたちがトップレスで恥ずかしがっていたり、温泉の泡で局所を隠して恥ずかしがっていたりするイラストがキャラクター紹介の合間に挿入されていて、もはやギャグとしか感じられなかった。
 慣れとは恐ろしいものだ。

To LOVEるキャラクターズファイル VOL.3 彩南高校GIRLS
To LOVEるキャラクターズファイル VOL.3 彩南高校GIRLS
カテゴリ:写真・イラスト集 | 00:04 | comments(0) | trackbacks(0)

ToLOVEるキャラクターズファイルVOL.2 西連寺春菜

 おとなしいと規定されつつリトさんに平手打ちをかましまくっている春菜さんである。
 咄嗟に手のでる娘をおとなしいと言えるだろうか?平手打ちもなく、黙って耐えているだけだったら、さすがに救いがないからなぁ。平手打ちはむしろ殴られる側(に感情移入している人)に必要なのかもしれない。

 画像は折り込みの水着トップレスと抱き枕風寝姿に類似したものが直後にも連続してきたので、その印象が植え付けられた。
 お褒美シーンを連発されると徹底的なセクハラ被害にあっているように見えてしまい同情する。まぁ、受け身いなければならない、視聴者サービスをしなければならない、両方やらなくちゃいけないってのが、お色気レブコメヒロインの辛いところだな。
 覚悟をする権利は与えられていない。

 ララの本とあわせてアニメ4話がずいぶんひどい話であったことが分かってきた。公式が触手とか言うな!

To LOVEるキャラクターズファイル VOL.2 西連寺春菜
To LOVEるキャラクターズファイル VOL.2 西連寺春菜
カテゴリ:写真・イラスト集 | 20:29 | comments(0) | trackbacks(0)

ToLOVEるキャラクターズファイルVOL.1ララ・サタリン・デビルーク

 アニメ版ToLOVEるのグラビアのごとき何か。
 ララの「写真集」にちょっとだけキャラクター名鑑と声優の対談がついている。あと原作者によるショートストーリー。
 グラビアの全裸率が非常に高く、コスプレ特集もあったので、ララの本来の服装をイメージできなくなった。
 まぁ、いつもの格好もほとんどコスプレ……うん。

 発明品一覧がちょっとおもしろかった。
 質量保存の法則も何も守るつもりがまったく感じられない!問題を解決するための道具ではなく、問題を大きくするための道具だからなぁ。

 リト以外にも肌を晒しまくっているのは視聴者的にいいのか。メインヒロインのわりにファンを選ぶキャラクターであることは間違いない。
 裏表紙のリトさんが目に手を当てながらがガン見してた……。

関連書評
ToLOVEるダークネス1巻 矢吹健太郎・長谷見沙貴

To LOVEるキャラクターズファイル VOL.1 ララ・サタリン・デビルーク
To LOVEるキャラクターズファイル VOL.1 ララ・サタリン・デビルーク
カテゴリ:写真・イラスト集 | 00:14 | comments(0) | trackbacks(0)

地球とは思えない世界の絶景 世界の絶景調査委員会

 行ってみたくてもいけなかったり、一日の立ち入り人数制限が厳しすぎたりする土地を含む世界の絶景を集めた写真集。コラムもちょっとだけあり、デスバレーの動く石の謎が解明されたことが知らされていて興奮した。
 なるほどきわめて限定的な条件で氷上ヨットができるようなものなんだ。

 収録されている地域ではアメリカやイギリス、アイスランドが偏っている印象だったが、巻末の世界地図をみると、それほどでもなくバランスがよい。さすがにアイスランドは多すぎる気がするけど……。

 イギリスの絶景は地質学の聖地的なものが多くてインパクトは弱めに感じていたが、ダーク・ヘッジには完全にやられた(ただし北アイルランド)!!漫画ワールドエンドフェアリーテールを思い出すなぁ。
 ロシアのキジ島の木造教会もナルニア国物語に出てきそうで素敵だった。

 日本からは三つの絶景が参加しているが、熊本県のラピュタの道は名前が恥ずかしい……スタジオジブリがこういう絶景をよくおさえて参考にしている様子なので――シップレークビーチやヌブラ渓谷など、ある意味ではふさわしいのかもしれないが。

関連書評
ナショジオが行ってみた究極の洞窟

地球とは思えない世界の絶景
地球とは思えない世界の絶景
カテゴリ:写真・イラスト集 | 10:47 | comments(0) | trackbacks(0)

銀河鉄道の夜 原作:宮沢賢治 画:KAGAYA

 銀河鉄道の夜を星空の幻想的なイラストレーションで定評のあるKAGAYA氏が描いた画集。帯によれば「ハイパーリアリズム画集」と銘打っている。
 たしかに光り輝く星々を連想させる表現がそこら中にありながら、銀河鉄道の沿線に配置されるひとつひとつの物はリアルに描かれていた。
 地層の見える海岸の描写はさすがに石っこ賢ちゃんだと思った。
 リンドウの草原がとても美しい。十字架は宗教的すぎると感じたが、サザンクロスだし、原作から宗教的な表現があるみたいなので自然な表現なのであろう。

 イラストにそえられた文章は銀河鉄道の夜の一部であって、この一冊で作品全体が分かるものではない。原作を把握している人が、文章を頼りにシーンを思い出しながら、イラストを楽しむのが正統派の楽しみ方であるようだ。
 そうではなくても読後の余韻は悪くはなかった。夢オチなどと言ってはいけない。

関連書評
宮沢賢治はなぜ石が好きになったのか 堀秀道
賢治と鉱物〜文系のための鉱物学入門 加藤碵一・青木正博

画集 銀河鉄道の夜
画集 銀河鉄道の夜
カテゴリ:写真・イラスト集 | 21:04 | comments(0) | trackbacks(0)

天野喜孝展 想像を超えた世界

 高浜市のやきものの里かわら美術館で開かれた同名の展示会の展示作品を収録した画集。先に熊本現代美術館でも展示をおこなっているが、高浜市の学芸員が考察の文章をよせているので、発行にはこちらの方が関わっている様子?

 グイン・サーガやファイナルファンタジー、アルスラーン戦記などのファンタジー作品のイラストで知られる天野喜孝氏の作品が多く収録されている。
 原点となったタツノコプロ所属時のガッチャマンから、氏の得意とするモンスターや美女がごった煮に高密度で描かれたDEVA LOKAシリーズまで非常に幅広い作品をみることができた。
 個人的なお気に入りはN.Y.SALADの「眠れるレタス姫」。レタスの葉っぱらしさがドレスに残っているのにものすごく可愛い。そういえば自分は緑色の髪の毛に弱いのだった……。

 どうしても注目せざるを得ないのがファイナルファンタジーに関係するイラストで、ドット絵時代のゲームが天野喜孝氏が描いた豊かなイメージに膨らまされていたことを意識する。発売時に大人だった人は、イラストのイメージをうまく投影しながらプレイしていたのかもしれない。
 FF3のクリスタルタワーを遠望するイメージイラストが今みてもたまらない。FF2からFF6のモンスター・キャラクターイラストもよかった。悪役の細さと格好良さの両立は天野喜孝氏にしか出せない気がする。
 現在でもファイナルファンタジーに関わる仕事が少しあるみたいで縁の深さを感じた。

天野喜孝展 -想像を超えた世界-
天野喜孝展 -想像を超えた世界-
カテゴリ:写真・イラスト集 | 21:26 | comments(0) | trackbacks(0)
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