NHKスペシャル文明の道1〜アレクサンドロス大王ペルシャ帝国への挑戦

 シルクロードの西側からの開通者。アレクサンドロス大王によるペルシャ帝国の征服が描かれる。
 あるいはアレクサンドロスがペルシャ帝国を旅行する間に観たものと、それによるアレクサンドロスの変化が描かれている。

 ガウガメラの会戦がいちおう再現されているが、いかにも予算不足の少人数による戦いになってしまっていた。布陣だけならそこそこ迫力があった。しかし、そこから人数を分散させてしまうと明らかに足りなくなる。
 また、騎兵が最初から剣を振り回していて、サリッサを使っていないところも不満だった。
 アレクサンドロスの突撃に後ろから随伴歩兵がついてきているところは評価したい。

 ペルシャ帝国がエジプトで整備したカナートの話が興味深かった。イランでは現役のカナートがあって住民が先祖に感謝していたが、現代まで維持してきた人々もすごい。
 ちょっと油断すれば農地が塩害を起こしてしまうはず。相対的にイランが平和だったということも言えそうだ。

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その時 歴史が動いた「武田信玄 地を拓き水を治める」

 〜戦国時代制覇への夢〜とのことで、信玄の出兵は京都へ登るためだったとしている話。今川義元とごっちゃになって(そんなわけないだろ)と思いながら見てしまったが、武田信玄の場合は……?

 まぁ、出兵はついでの話であって重視されているのは治水と金山経営の内政部分。いまだに信玄公と「公」付きで呼ばれる理由がちょっとだけ分かる良い話であった。

 金山衆への対応でWIN-WINにできたのは、信玄が相対的に力が弱かったおかげで、一方的に強くなってしまえば権力者は徹底的に搾り取るようになってしまう。
 江戸時代の金山経営での収支を紹介する本を読んだ記憶からそう思うので、権力者の支配が強ければいいってものではない。権力者本人の評判にとっても――という考えも生まれたのだが、おそらく乱世はマイノリティが、治世はマジョリティが得をしやすいだけだ。

 まぁ、山奥の豪族連合的だった国をよくあそこまで大きくしたものだ。

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その時歴史が動いた「上杉鷹山 ふたたびの財政改革」 NHK

 上杉鷹山の藩政改革は二回おこなわれていた!そして、一回目は無惨にも失敗していた。
 失敗を経験した上杉鷹山が二度目の挑戦では成功できた理由は何か?現代の政治を考える上でも興味深い話。しかし、暴騰に小泉元首相の改革発言を出されたのには参った。
 一度目の失敗改革を担った汚職家臣と竹中氏が被る。

 漆のロウソクで2万両の収入を期待したのに、ちょうど櫨のロウソクが流行しはじめたタイミングで上手く行かなかった話は切ないものがある。
 切り倒されてしまったのは漆器にはロウソクよりも高度な技術が必要で、そっちへの転用は難しいからか。

 しかし、二度目の絹織物開発はかなり高度な技術に挑戦していた。そういえば、越後時代の上杉家は青ソで潤っていたはずで、何らかの伝統が領内に残されていた?
 手持ちのカードをよく知って、得意を活かして、利益につなげることが大切だな。

 暗黒時代の俸禄33%カットで、武士が汚職に走ったところも現代に通じる教訓を帯びていた。直系の領主たちは養子の鷹山と違って領民の生活を省みず、浪費三昧。情けない話である。

NHK「その時歴史が動いた」 上杉鷹山 ふたたびの財政改革~上杉鷹山(41歳)、2度目の藩政改革に乗り出す~ [DVD]
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その時 歴史が動いた「信長 執念の天下統一」 NHK

〜大坂本願寺との十年戦争〜
 信長得意の付き合いきれない長期戦。美濃の斉藤氏がやられたみたいに、信長から大坂本願寺も終わりの見えない攻撃を受ける。
 それでも宗教組織にして、経済力をもった本願寺だから十年もったのだろう。そして、その力を信長が取り込んだときに対抗できるものは誰もいなくなる、はずだった。

 信長が送った柴田勝家たちへの「足を向けて寝ないつもりで仕えろ」文書には呆れてしまう。そういう言葉を形にするほど形にならないところで面従腹背されやすくなるとは考えられなかったらしい。
 信長の人心掌握術は、ふつうは出世できない次男三男を子飼いにするところ止まりだったのかと思ってしまう。

 本願寺から出てくる檄文の数をグラフ化して、顕如と教如の戦意の変化を示したところが興味深かった。
 結果、相反する命令を末端に出してくる困った総本山だ。退去で済んだのは全国に組織があるおかげだろうに、その末端組織に迷惑を掛けるなよ。

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世界里山紀行 フィンランド森・妖精との対話 NHKエンタープライズ

 キリスト教の立場が気になるほどアニミズム全開なフィンランドにおける里山の様子が描かれる。
 熊に感謝しながら命を奪い輪廻に思いを馳せる猟師の感覚は、日本でも同業者との間で話が通じそうだった。木に頭蓋骨を掛ける風習はちょっと怖い……。

 松の皮を剥いで白い表面に人の名前と生没年を刻み込む風習では、松の皮が回復して名前の字が埋もれ掛けている姿が印象的だった。

 フクロウが庭で子育てする様子を見守っている人は、動物園いらずだなぁ。あの距離で家の窓からフクロウをみることができるなら、動物園より豪華かもしれない。
 自然と共に生きるフィンランド人の人生観が伝わってきた。でもまぁ、そういう人に取材しているので、都市生活者との感覚の違いはあると考えておく。

NHKスペシャル 世界里山紀行 フィンランド 森・妖精との対話 [DVD]
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赤道 生命の環 アマゾン黄金の大河 NHKエンタープライズ

 アマゾン川の内部で独自の生態を進化させた動物たちが紹介される。DVDになっているのはピラルクであるが、乾きに苦しんでいる様子がほかの魚にくらべてぬるい感じが印象に残った。
 さらに直接の空気呼吸が可能なのだから悠々としたものだ。

 コペラ・アーノルディの水面近くに垂れた葉っぱに夫婦でジャンプして卵を産みつける生態は本当に奇妙なものだ。敵に卵が襲われにくいメリットは良くわかるのだが、どうやってあんな生態を進化させたのだろう。
 最初はもっと水面に近い葉っぱを利用していたのだろうなぁ。
 雄が卵に水をかけて乾燥から守ってやるのも凄かった。
 体表から粘液「ディスカスミルク」を出して子供に与えるディスカスも子育てへの情熱では負けていない。

 あと、水中メインの動物ではないが、ナマケモノがおもしろい。アマゾン川を泳いだ直後の濡れた姿がおもしろい。
 本体はあんなに細いんだ……毎日の食事も少ないはずだから、太っていた方が怖いかな。

赤道 生命の環 BOX II [DVD]
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赤道 生命の環 東南アジア〜巨木の帝国 NHKエンタープライズ

 東南アジアの熱帯雨林に生きる生命の興味深い戦略の数々が紹介される。
「フタバガキ」はまるで熱帯雨林の動かない王者である。その割に熱帯雨林の生物として知名度が低いことを惜しく思った。ここで覚えてやりたい。

 スリランカの種ではあるが、動きはのろいが獲物に気づかれないホソロリスの狩りが職人みたいで印象的だった。
 虫をバリバリ食っている様子はけっこうグロテスク……タンパク質はたくさん取れていそうだ。

 ホソロリスに比べて謎多き種であるヒヨケザルは愛しやすい。昼はひたすら気配を消して待機。夜になったら木から木へと飛び移って木の葉を食べる。フタバガキの樹液も舐める。
 子連れで空まで飛んでしまうところに感心した。

 あと、わき役状態のスマトラトラに狩りの成功シーンがあってホッとした。狩られる動物は可哀想だけど、狩りが失敗だけなのも不憫である。

赤道 生命の環 BOX II [DVD]
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漢詩の風景3〜白楽天と中・晩唐の詩人たち 監修・石川忠久

 中・晩唐の詩人たちでまとめられてしまった人々に同情する。それでも現代まで名前が残って、他国で詩が歌われるのだからとんでもなく素晴らしいことだ。
 ただ白楽天たちタイトルに名前がでる詩人が偉大すぎるだけで。

 西湖には蘇東坡が築いた(築かせた)蘇堤以外にも、白楽天が築いた白堤があるそうだ。どんだけ詩人に愛された湖なのであろうか。最初に歌った詩人がいれば、次の詩人にも歌われ、改修されてどんどん名声が高まっていく効果があるのかな。
 白楽天は目をつけられるほど社会派でありながら、なんだかんだで悠々自適の生活に落ち着いているところがズルい。口は災いの元ながら芸は身を助けるという状態である。

 映像には水路の多い中国南部の都市を移したものが多かった。南北朝時代を乗り越えたから後だからこそ当時の詩人に歌われるようになってきた風景と言えよう。

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新漢詩紀行 第1巻 送別・春爛漫・楼上の眺め 石川忠久・監修
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漢詩の風景2〜李白・杜甫 監修・石川忠久

 二大詩人李白と杜甫の作品を収録。女声、男声、中国語(男声)などで読まれている。どこかで聞いた覚えのある漢詩が多いところは流石に李白・杜甫であった。
 高校生相手に酒を読んだ詩を教えていたのも、なかなか……文化と切っても切り離せなくなっていることを如実に示しているなぁ。タバコを歌った詩が定着していなくてよかったと言わざるをえない。

 長江の風景を写した動画にはもはや水没して観れないのだろうと寂しい気持ちになった。大量の電力の代わりに失われたものも大きい。
 ただ、失われた風景を元にした詩は残っている。

 杜甫の役人が来た時に、おじいさんが猛ダッシュで逃げて、おばあさんが飯炊きに従軍する詩は何度聞いても悲しいものだ。戦争は弱い民から全てを奪っていく。

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漢詩の風景1陶淵明・孟浩然・王維 監修・石川忠久

 タイトルになっている詩人の作品が現代中国の風景動画と共に音読される。NHKの類似の作品にくらべると詩の解説が少なくて淡白なところがある。すでに内容を熟知している場合には、こっちのほうが良いかもしれない。読み手は女性であった。

 王維の別れに杯をかわす詩の解説で、長安の対岸にある双子都市、渭水が秦の咸陽であったことを知る。つまり長安はキングダムに出てきた咸陽の最終防衛ラインになった都市サイなのか。目からウロコが落ちる。

 東晋の陶淵明は先駆者としての存在感が結構ある。屈原が最初の詩人と言っても、質量と後世への影響を考えると実質的な最初は?三国時代の詩人などに触れられていないだけかな。

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新漢詩紀行 第1巻 送別・春爛漫・楼上の眺め 石川忠久・監修
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