その時歴史が動いた 乱世の英雄編〜「ミステリー大化改新」

 〜蘇我入鹿暗殺の実像〜
 学習院大学の遠山講師(番組制作当時)の説に依拠して作られた大化改新の再現映像。さらに元をたどればNHKのドラマから大量の映像が引用されている。
 大化改新の黒幕は皇極天皇の弟であった軽皇子であるとする。中臣鎌足がいろいろ動き回って、地縁で実行犯を集めたり、中大兄王子に接近したり、入鹿排除の体勢を整えている。
 説の通りならクーデターとは言い難い。最終的には天皇の気に入らない家臣を排除した形になっている。

 それにしても激しいのが皇極天皇による飛鳥京建設への思いで、遠山説では大化改新の前触れとなった山背大兄王暗殺から彼女の飛鳥京建設の思惑が関係していたと言う。
 大化改新そのものが巨大な首都である飛鳥京を造るための人員を確保したかったからだとすれば卵と鶏の関係にも思えてくる。よく各地の豪族に言うことを聞かせたものだ。
「お前らも蘇我氏みたいになるぞ」と脅されれば、なかなか否とは言えない?

 遠山講師の部屋に風林火山の旗が飾ってあったり、戦国武将のフィギュアが並べられていたりして、ついつい目を奪われてしまった。古代のグッズはなかなかないから集まらないのかなぁ。

その時歴史が動いた 乱世の英雄編 ミステリー大化改新 蘇我入鹿暗殺の実像 [レンタル落ち]
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その時歴史が動いた 乱世の英雄編〜「平清盛 早すぎた革新」

 〜平氏政権誕生のとき〜
 熊野水軍の働きが重要だったことを覚えておきたい。また決定的な戦いは一度だけで、清盛がそこから最大限の利益をあげ、権力をキープしつづけていることも。

 福原の港整備に大規模な埋め立て工事をおこなっていて、未来の利益のために投資ができる人物だったことも分かる。いまでも神戸の港は反映していると言うのだから先見の明はたいしたものだ。
 解説者にあげられていた三つの才能「軍事・経済・政治」のうちで、軍事がいちばん証明する事例が少ないという不思議な「武士」であった。

 後白河法皇との権力闘争は徹底的に勝ちすぎた気がしないでもない。6割の勝ちを最上とするみたいな発想はあまりなかったと思われる。
 生かした頼朝に挙兵されたことを強調していたが、頼朝と義経を殺していても義仲にやられるまでは変わらなかったはずで、そこは本当に本質的な問題だったのだろうか。
 今になってみると疑問である。

その時歴史が動いた 乱世の英雄編 平清盛 早すぎた革新 平氏政権誕生のとき [レンタル落ち]
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その時 歴史が動いた「乱世を制するリーダーの条件」

 パラメーターをカリスマだけに偏らせすぎた歴史の問題児、足利尊氏の苦闘をえがく。関東からやってきて京都で負けて、西に逃げて戻ってくる流れはやっぱり異常である。
 西に逃げるとき、負けた足利尊氏側についていく武士がいたという逸話も異常である。
 武士の求めるものを分かっているのは明らかに足利尊氏の方であったが、ただ求めるものを与えるだけでは主体性を失ってしまう。後醍醐天皇の政治がいいとは言わないけれど、足利尊氏の問題は子孫たちにも持ち越されている。

 それでも足利尊氏が立ち上がらなければ、さらなる混迷が日本社会を覆っていたはず。逡巡しながらも自ら火中の栗に手を伸ばしにいける責任感。それは「高貴なる者の義務」にも思われて、足利尊氏の存在に彩りを与えている。

 足利尊氏の木造を維新志士たちが傷つけて河原に晒したとのエピソードにはウンザリした。同時代じゃないから好きなだけ叩ける相手として使われている気がしてくる。

さかのぼり日本史8室町・鎌倉〜武士の世の幕開け 本郷和人

NHK「その時歴史が動いた」 武乱世を制するリーダーの条件~湊川の戦い 足利尊氏、苦悩の決断~ [DVD]
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その時歴史が動いた 時代のリーダー編〜「天神・菅原道真 政治改革にたおれる」

 学者ではなく政治家としての菅原道真が見えてくる。宇多天皇の後ろ盾ひとつを頼りに強力に改革を押し進めていた道真だが、その権力の源泉である宇多天皇が政治の現場からいなくなってしまえば……楚で改革をおこなった呉起や北宋の王安石など良く見られたパターンである。
 中国に学ぶことをやめた道真が中国であったことでやられてしまうのは皮肉だな。まぁ、王安石は道真より後の時代の人物だったか。

 救いは彼を権力から追い落とした藤原時平が、改革はそのまま実行したらしいこと。その点では商鞅に近かった?
 お前らが最初からしっかりして、改革もやっていれば権力を失うこともなかったのに――そうは思ったが、改革の発想は守旧派からはなかなか出てこない。
 なるべくして、こうなってしまったのかもしれない。

 道真が詩に読んだ最期の心境に胸が苦しくなった。道真にとって当初の予定通り学者で人生をまっとうすることと、どちらが良かったのだろうか。日本にとっては政治家になってもらえて良かったに違いないが。

NHK「その時歴史が動いた」 天神・菅原道真 政治改革にたおれる [DVD]
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ダイナソー・プラネット 絶滅した狩人ダスプレトサウルス

 ディスカバリーチャンネル
 ダスプレトサウルスの失敗の多い狩りを描いた映像作品。真の主役は火山であり、噴火描写にいちばん力が入っているようにも見える。破局噴火の恐ろしさが700万年後の文字からも伝わってきた。さすがに時間が経ちすぎだ。
 過去の悲劇を知る由もなく昔と同じことを繰り返そうとしている結末が、人間と恐竜の違いを訴えている気がした。

 ダスプレトサウルスは仲間と協力して組織的な狩りのできる賢いハンターに描かれている。ただし、複数の個体が関わるために、一体のミスが全体に波及することも多い。
 狩りになれた精鋭だけでやろうとする思考などもあったのではないかと考えが広がった。

 狩られる側の恐竜は執拗な追跡を繰り返し受けていた。野生動物の常とはいえ可哀想でたまらなくなってしまった。
 肉食恐竜が弱った個体を徹底的にねらう以上、一度の怪我は命取りになりやすい。若いから失敗を繰り返して成長すればいいなんて考えは肉食側にしか許されない雰囲気だった。自然は過酷である。

 ストーリー性などにおいてはBBCのウォーキングダイナソーの方が優れていると感じた。ただし、こちらは日本語音声があるのでちょっと助かる。字幕と読み上げの細かい違いが面白かったりした。

関連書評
ウォーキングWITHダイナソーVol.1 BBCワールドワイド
決定版恐竜大図鑑1 NHKエンタープライズ

ディスカバリーチャンネル ダイナソー・プラネット 絶滅した狩人ダスプレトサウルス [DVD]
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NHKスペシャル文明の道2〜アレクサンドロスの遺産 最果てのギリシャ都市

 アフガニスタンの北部に存在したギリシア人の古代都市「アイ・ハヌム」。アレクサンドリアの一つと考えられるアイ・ハヌムの出土品からアジアに進出したギリシア人たちの生き方がみえてくる。

 アフガニスタンの惨状が心をえぐる。せっかくの出土品も略奪の憂き目にあっていたが、博物館員たちの必死の行動によって、一部の出土品はなんとか守られていた。
 全部が守られたように聞こえる説明だったが、後で市場に流れた出土品の話も出てくる。
 政情不安のためアイ・ハヌムに接近できない取材班が、北のタジキスタン国境からのアクセスに切り替えたところにも感心する。すばらしくあきらめが悪い。
 そうしてたどり着いたアイ・ハヌムで目撃したのが、盗掘による大量の穴ぼこだったのは辛かったけど……。

 CGによるアイ・ハヌムの再現映像をみることが出来てよかった。川に二方向を防御されて、残りの方向には丘がある構造が興味深い。かなり守りを重視していたことが伺える(丘を取り込みたがるギリシア人の本能もあるんだろうけど)。
 そんなアイ・ハヌムも150年の存続で遊牧民に滅ぼされたらしく諸行無常を感じた。
 ゼウスとミトラ神を融合させた像は神仏習合をやっている日本人には比較的に理解しやすそうだ。逆に一神教の研究者は過大評価をする場合もあるのかもしれないとインタビューを観て思った。

関連書評
シルクロードの古代都市――アムダリヤ遺跡の旅 加藤九祚

文明の道 第2集 アレクサンドロスの遺産・最果てのギリシャ都市 [DVD]
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NHKスペシャル文明の道1〜アレクサンドロス大王ペルシャ帝国への挑戦

 シルクロードの西側からの開通者。アレクサンドロス大王によるペルシャ帝国の征服が描かれる。
 あるいはアレクサンドロスがペルシャ帝国を旅行する間に観たものと、それによるアレクサンドロスの変化が描かれている。

 ガウガメラの会戦がいちおう再現されているが、いかにも予算不足の少人数による戦いになってしまっていた。布陣だけならそこそこ迫力があった。しかし、そこから人数を分散させてしまうと明らかに足りなくなる。
 また、騎兵が最初から剣を振り回していて、サリッサを使っていないところも不満だった。
 アレクサンドロスの突撃に後ろから随伴歩兵がついてきているところは評価したい。

 ペルシャ帝国がエジプトで整備したカナートの話が興味深かった。イランでは現役のカナートがあって住民が先祖に感謝していたが、現代まで維持してきた人々もすごい。
 ちょっと油断すれば農地が塩害を起こしてしまうはず。相対的にイランが平和だったということも言えそうだ。

関連書評
NHKスペシャル文明の道1〜アレクサンドロスの時代
アレクサンドリア E・M・フォースター 中野康司・訳

文明の道 第1集 アレクサンドロス大王・ペルシャ帝国への挑戦 [DVD]
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その時 歴史が動いた「武田信玄 地を拓き水を治める」

 〜戦国時代制覇への夢〜とのことで、信玄の出兵は京都へ登るためだったとしている話。今川義元とごっちゃになって(そんなわけないだろ)と思いながら見てしまったが、武田信玄の場合は……?

 まぁ、出兵はついでの話であって重視されているのは治水と金山経営の内政部分。いまだに信玄公と「公」付きで呼ばれる理由がちょっとだけ分かる良い話であった。

 金山衆への対応でWIN-WINにできたのは、信玄が相対的に力が弱かったおかげで、一方的に強くなってしまえば権力者は徹底的に搾り取るようになってしまう。
 江戸時代の金山経営での収支を紹介する本を読んだ記憶からそう思うので、権力者の支配が強ければいいってものではない。権力者本人の評判にとっても――という考えも生まれたのだが、おそらく乱世はマイノリティが、治世はマジョリティが得をしやすいだけだ。

 まぁ、山奥の豪族連合的だった国をよくあそこまで大きくしたものだ。

関連書評
歴史秘話ヒストリア 戦国武将編 武田信玄 NHK

NHK「その時歴史が動いた」 武田信玄 地を拓き水を治める~戦国時代制覇への夢~ [DVD]
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その時歴史が動いた「上杉鷹山 ふたたびの財政改革」 NHK

 上杉鷹山の藩政改革は二回おこなわれていた!そして、一回目は無惨にも失敗していた。
 失敗を経験した上杉鷹山が二度目の挑戦では成功できた理由は何か?現代の政治を考える上でも興味深い話。しかし、暴騰に小泉元首相の改革発言を出されたのには参った。
 一度目の失敗改革を担った汚職家臣と竹中氏が被る。

 漆のロウソクで2万両の収入を期待したのに、ちょうど櫨のロウソクが流行しはじめたタイミングで上手く行かなかった話は切ないものがある。
 切り倒されてしまったのは漆器にはロウソクよりも高度な技術が必要で、そっちへの転用は難しいからか。

 しかし、二度目の絹織物開発はかなり高度な技術に挑戦していた。そういえば、越後時代の上杉家は青ソで潤っていたはずで、何らかの伝統が領内に残されていた?
 手持ちのカードをよく知って、得意を活かして、利益につなげることが大切だな。

 暗黒時代の俸禄33%カットで、武士が汚職に走ったところも現代に通じる教訓を帯びていた。直系の領主たちは養子の鷹山と違って領民の生活を省みず、浪費三昧。情けない話である。

NHK「その時歴史が動いた」 上杉鷹山 ふたたびの財政改革~上杉鷹山(41歳)、2度目の藩政改革に乗り出す~ [DVD]
NHK「その時歴史が動いた」 上杉鷹山 ふたたびの財政改革~上杉鷹山(41歳)、2度目の藩政改革に乗り出す~ [DVD]
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その時 歴史が動いた「信長 執念の天下統一」 NHK

〜大坂本願寺との十年戦争〜
 信長得意の付き合いきれない長期戦。美濃の斉藤氏がやられたみたいに、信長から大坂本願寺も終わりの見えない攻撃を受ける。
 それでも宗教組織にして、経済力をもった本願寺だから十年もったのだろう。そして、その力を信長が取り込んだときに対抗できるものは誰もいなくなる、はずだった。

 信長が送った柴田勝家たちへの「足を向けて寝ないつもりで仕えろ」文書には呆れてしまう。そういう言葉を形にするほど形にならないところで面従腹背されやすくなるとは考えられなかったらしい。
 信長の人心掌握術は、ふつうは出世できない次男三男を子飼いにするところ止まりだったのかと思ってしまう。

 本願寺から出てくる檄文の数をグラフ化して、顕如と教如の戦意の変化を示したところが興味深かった。
 結果、相反する命令を末端に出してくる困った総本山だ。退去で済んだのは全国に組織があるおかげだろうに、その末端組織に迷惑を掛けるなよ。

関連書評
ドキュメント信長の合戦 藤井尚夫
歴史秘話ヒストリア 戦国武将編二〜織田信長

NHK「その時歴史が動いた」 信長 執念の天下統一~大坂本願寺との十年戦争~ [DVD]
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