戦火の記録〜ヨーロッパ戦線 ディスカバリーチャンネル

 第二次世界大戦ヨーロッパ戦線を55分でまとめた作品。スペイン内戦からはじめて、よくまとまっているとは思うが、ビスマルク追撃戦はともかくUボートとの戦いまで端折ってしまったのはいただけない。
 イギリスを救った二つの新兵器と言われて思いついたのは、レーダーとハフダフだったが、実際にはレーダーとエニグマ暗号の解読機であった。情報重視の視点が海外の作品らしいかも。

 逆にドイツの敗因は長距離爆撃機を開発しなかったことに求められている。イギリス航空戦での敗北につづいて、ソ連の疎開工場も爆撃できなかったことを問題視しているのだ。
 でも、アメリカ軍も問題に直面した長距離護衛戦闘機の開発もあわせて必要だし、限られた資源を集中しなくてはならない立場では失敗と言い切れない面もありそう。
 それを言い出すとドイツの贔屓丸だしな航空行政そのものが失敗になるなぁ。

 そういえばイタリアの存在感がなかった。ドイツの足を引っ張ってバルバロッサ作戦発動のタイミングを遅らせたくらいか……ドミノ式にアメリカを参戦させた日本の方がまだ扱いが大きかった気がする。

戦火の記録:ヨーロッパ戦線 [DVD]
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近世庶民のくらし-西鶴・芭蕉・近松- 竹内誠・監修

 江戸時代の徐々に変容していく庶民の生活。その原動力になったのは豊かな商人たちであった。時代を牽引した文人である井原西鶴、松尾芭蕉、近松門左衛門を代表として、江戸時代の前期の様子が描かれる。

 当時の代表的な都市は江戸・大阪・京都だったとのことで、だいたい今日に受け継がれている。しかし、同じ都市でも属性には大きな違いがあった点が興味深い。
 天下の台所の大阪、消費都市だった江戸、出版に強かった京都など、それぞれの特色に触れられている。
 越後屋の一日の売上が150両に上ったことなど、経済活動のディテールが興味深かった。好色一代男の主人公が相場の有利さを考えて一歩金を両替している様子も当時の風潮を感じさせる。

 西鶴も元々は俳諧の世界から活動をはじめていて、浮世草子の作家に転身したそうだ。所属流派の変更時に諍いはなかったのか、ついつい気になってしまった。趣味の世界だから快く送り出してくれたのかもしれないが。
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その時歴史が動いた 乱世の英雄編〜宮本武蔵「五輪書」完成への苦闘〜

「兵法の道は人の道」
 厳流島の決闘以降の宮本武蔵をえがいた映像作品。仕官を求めて大坂の陣にも参戦するが、もはや時代はかわっていて宮本武蔵を召し抱えてくれる大名は見つからない。
 一方、養子にとった伊織が異常に優秀で、とんとん拍子の出世を遂げていく。武蔵が足に石を受けて動けなくなってしまった島原の乱でも、伊織は戦果をあげたらしく、行けるところまで行ってしまっている。
 彼の優秀さが気になって、伝記が読みたいと思ってしまった。

 武蔵は就職条件の三千石がふっかけすぎだ。剣術指南役だけで、それほどの知行を与えられるのは非常に限られた大名だけ。石田三成がいても、武蔵のスキルには知行の半分を与えたりはしないだろう。
 まぁ、実際には町割りを決めたり、いろいろやっていることも知っているのだが、そういう売り込みがちゃんと出来ていたのかなぁ。戦場での働きを強調しすぎだった可能性も考えてしまう。

 それでも最後は理解者をえられて――亡くなってしまうけど――五輪書の前身となる書物を書いていたりする。細川家の数寄を貴ぶ家風が、武蔵の技術にも、シンパシーを覚えたのかもしれない。
 そうだとすれば武蔵は五輪書でしっかり応えてみせたことになるのではないか。

その時歴史が動いた 乱世の英雄編 兵法の道は人の道宮本武蔵 五輪書 完成への苦闘 [レンタル落ち]
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にっぽん百名山 中部・日本アルプスの山◆NHKエンタープライズ

 甲斐駒ヶ岳と木曽駒ヶ岳。ふたつの駒ヶ岳と、日本二位の北岳などが紹介される。
 北岳だけにキタダケの名前がつくキタダケソウが生えている早口言葉みたいな状況になっている。登りの7時間は伊達ではない。ガイドの人さえしんどそうな登山があった。たくさん喋って解説しながら登っているせいもありそうだが。あと、マイクが息を拾い過ぎ。

 光岳が光岳と書いて「てかりだけ」と読むことを知った。そんな光宙みたいな……名前の由来となった二つのてかり岩も出てきた。石灰岩は弱酸性の雨で溶けて、てかてかするからね。

 最後を飾った白山は植物がたくさん観られる。信仰登山の歴史があるせいか、750人が泊まれる山小屋の室堂が存在していて驚いた。ロジスティクスがさぞかし凄いことになっているに違いない。
 谷甲州先生の小説、加賀開校始末で白山が出てきた関係もあって関心をもって映像をみた。

にっぽん百名山 中部・日本アルプスの山II [Blu-ray]
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歴史秘話ヒストリア〜戦国武将編 織田信長

「女中は見た!!本能寺の変・信長最後の3日間」
 ヒトラーの映画作品にひっかけたようなタイトルで、一般的な信長のイメージに毒された人には意外に感じられる一面を描く。
 家臣には厳しいけれど、女中や一般の障害者などには優しい。そんな信長像が見えてくる。残酷な一面も矛盾なく存在していたはずで――そうでなければロスが大きくて天下人にはなりにくいと思う――信長の哲学が気になってくる。

 別の一面である公家への名物みせびらかし攻撃には茶器の趣味が公家の間にも十分に広がっていたことが感じられる。
 ある意味で武家の価値観に染まってしまっている時点で公家の負けにも思える。財産の誇示はけっこうだが、そのための資金で別のことをしたほうが天下取りには近道だった可能性はないのか。
 そんなことも気になった。自分で価値を吊り上げて、領地などを与える代わりに茶器で済ませた財テクとも聞くから判断が難しい。

 信長の役者は49歳を演じるには若い感じだった。秀吉の役者は末期の猜疑心が強いイヤらしい秀吉らしさを良く出していた。
 シリーズの秀吉の話とちゃんと同じ人が声を当てている。

歴史秘話ヒストリア 戦国武将編 織田信長 女中は見た!! 本能寺の変・信長最後の3日間 [DVD]
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歴史秘話ヒストリア〜戦国武将編 上杉謙信

「謙信、変身!悩める若者、ヒーローになる」

 27歳で自分探しの旅に出たり、キレて敵陣に飛び込んだりするアル中武将、上杉謙信の話。
 手紙に書いた「依怙によって弓矢は取らぬ。筋目によって合力する」の言葉はカッコいい。イメージ戦略もあるかもしれないと思いつつも感心した。
 だが、要望に応えての激しい出兵は実りをもたらさず、不識院(「庵」だと思っていたが、この映像作品では「院」で統一されている)になってから西進しての領土配りが家臣の心を掴んだという。急がば回れだったのかもしれないな。

 謙信の2敗にカウントされている一つは臼井城の戦いだと本編でわかったが、もうひとつは何だろう?

 家臣の統制に苦労した点において、武田信玄とものすごく気が合いそうだった。家臣の愚痴で意気投合する龍と虎がどこかで見たい。指摘されている通り、謙信は名前に虎を入れまくってる龍だけど。
 ついでに達磨不識のエピソードも知ることができた。問答時にすでに高名でなければ皇帝に「何だこいつ」と思われるだけだっただろうな。

関連書評
ビジュアル戦国英雄伝4〜武田信玄・上杉謙信 河合敦
戦国武将の遺言状 小澤富夫

歴史秘話ヒストリア 戦国武将編 上杉謙信 謙信、変身! 悩める若者ヒーローになる [DVD]
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その時歴史が動いた 時代のリーダーたち編 「日出づる処の天子より」

 〜聖徳太子、理想国家建設の夢〜
 一度目の遣隋使の失敗から、国家体制を整えて二度目の遣隋使へ。
 遣隋使の言葉だけから実状は伝わるのだから、口先で体制を取り繕うことは不可能ではない。返礼の使いが来たときにバレるけれど、現代日本の企業経営者ならやってしまいそうだ。そして、突貫工事で嘘から出た真にさせようとして死人を出す。
 やりとりから必要なものを正確に割り出して、「倭国」そのもののためになる原動力に変えていく。聖徳太子が主体なのかは分からないところもあるが、当時の日本に優れた指導者がいたことは間違いない。

 が、官僚への早くに出勤して遅くに帰れや、和をもって貴しとなすなどの条文は負の影響も後世に残してしまっている……負の影響を取り除けないのは現代人のいたらなさで、当時の豪族が思いのままに振る舞っている実状があっての発言だからなぁ。
 けっきょく藤原氏などは思いのままに振る舞って、つらさが下級官僚だけに押しつけられているけど。

 番組の最後に紹介された聖徳太子の言葉はよかった。これは今の日本でも問題なく通用する。仏教の良い方向での影響が感じられた。

「こころのいかりを絶ち
 人の違うところを怒らざれ
 人皆心あり
 我必ずしも聖にあらず
 彼必ずしも愚にあらず
 共に是凡夫
 是をもちて
 かの人いかるといえども、
 かえりて我が失ちを恐れよ」
 最後の三行はない方が好きかな。

その時歴史が動いた 時代のリーダーたち編 日出づる処の天子より 聖徳太子、理想国家建設の夢 [レンタル落ち]
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その時歴史が動いた 乱世の英雄編〜「ミステリー大化改新」

 〜蘇我入鹿暗殺の実像〜
 学習院大学の遠山講師(番組制作当時)の説に依拠して作られた大化改新の再現映像。さらに元をたどればNHKのドラマから大量の映像が引用されている。
 大化改新の黒幕は皇極天皇の弟であった軽皇子であるとする。中臣鎌足がいろいろ動き回って、地縁で実行犯を集めたり、中大兄王子に接近したり、入鹿排除の体勢を整えている。
 説の通りならクーデターとは言い難い。最終的には天皇の気に入らない家臣を排除した形になっている。

 それにしても激しいのが皇極天皇による飛鳥京建設への思いで、遠山説では大化改新の前触れとなった山背大兄王暗殺から彼女の飛鳥京建設の思惑が関係していたと言う。
 大化改新そのものが巨大な首都である飛鳥京を造るための人員を確保したかったからだとすれば卵と鶏の関係にも思えてくる。よく各地の豪族に言うことを聞かせたものだ。
「お前らも蘇我氏みたいになるぞ」と脅されれば、なかなか否とは言えない?

 遠山講師の部屋に風林火山の旗が飾ってあったり、戦国武将のフィギュアが並べられていたりして、ついつい目を奪われてしまった。古代のグッズはなかなかないから集まらないのかなぁ。

その時歴史が動いた 乱世の英雄編 ミステリー大化改新 蘇我入鹿暗殺の実像 [レンタル落ち]
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その時歴史が動いた 乱世の英雄編〜「平清盛 早すぎた革新」

 〜平氏政権誕生のとき〜
 熊野水軍の働きが重要だったことを覚えておきたい。また決定的な戦いは一度だけで、清盛がそこから最大限の利益をあげ、権力をキープしつづけていることも。

 福原の港整備に大規模な埋め立て工事をおこなっていて、未来の利益のために投資ができる人物だったことも分かる。いまでも神戸の港は反映していると言うのだから先見の明はたいしたものだ。
 解説者にあげられていた三つの才能「軍事・経済・政治」のうちで、軍事がいちばん証明する事例が少ないという不思議な「武士」であった。

 後白河法皇との権力闘争は徹底的に勝ちすぎた気がしないでもない。6割の勝ちを最上とするみたいな発想はあまりなかったと思われる。
 生かした頼朝に挙兵されたことを強調していたが、頼朝と義経を殺していても義仲にやられるまでは変わらなかったはずで、そこは本当に本質的な問題だったのだろうか。
 今になってみると疑問である。

その時歴史が動いた 乱世の英雄編 平清盛 早すぎた革新 平氏政権誕生のとき [レンタル落ち]
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その時 歴史が動いた「乱世を制するリーダーの条件」

 パラメーターをカリスマだけに偏らせすぎた歴史の問題児、足利尊氏の苦闘をえがく。関東からやってきて京都で負けて、西に逃げて戻ってくる流れはやっぱり異常である。
 西に逃げるとき、負けた足利尊氏側についていく武士がいたという逸話も異常である。
 武士の求めるものを分かっているのは明らかに足利尊氏の方であったが、ただ求めるものを与えるだけでは主体性を失ってしまう。後醍醐天皇の政治がいいとは言わないけれど、足利尊氏の問題は子孫たちにも持ち越されている。

 それでも足利尊氏が立ち上がらなければ、さらなる混迷が日本社会を覆っていたはず。逡巡しながらも自ら火中の栗に手を伸ばしにいける責任感。それは「高貴なる者の義務」にも思われて、足利尊氏の存在に彩りを与えている。

 足利尊氏の木造を維新志士たちが傷つけて河原に晒したとのエピソードにはウンザリした。同時代じゃないから好きなだけ叩ける相手として使われている気がしてくる。

さかのぼり日本史8室町・鎌倉〜武士の世の幕開け 本郷和人

NHK「その時歴史が動いた」 武乱世を制するリーダーの条件~湊川の戦い 足利尊氏、苦悩の決断~ [DVD]
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