天文学の誕生〜イスラーム文化の役割 三村太郎

 岩波科学ライブラリー173。
 コペルニクスが提唱した地動説はどこから現れたのか。源流であるプトレマイオスとコペルニクスをつなぐ流れを追っているとイスラーム社会にたどりつく。

 アッバース朝ではササン朝ペルシア以来の伝統を受け継いで翻訳事業が行われており、ゾロアスター教のような二元論を論駁していくためにもギリシア哲学の論証的な思考法が重宝されていたのだ。
 ……登場人物が天才ぞろいすぎて圧倒される。厳しく意見を批判される人物であっても、自分が渡り合える気がまったくしない。知の最前線をみてしまった思いだ。

 とりあえずアッバース朝の二代目カリフ「マンスール」の偉大さが印象に残る。神聖ローマ帝国のフリードリヒ二世が模範にしていそうな英主である。
 権力者が学者たちに議論をさせるマジュリスの風習も興味深かった。力で強引に黙らせたり、理論の外側にあるもので丸め込んだりしない社会は文明の発展をもたらす。

関連書評
ヨーロッパとイスラーム世界 高山博 世界史リブレット58
オーロラ! 片岡龍峰 岩波科学ライブラリー243

天文学の誕生――イスラーム文化の役割 (岩波科学ライブラリー)
天文学の誕生――イスラーム文化の役割 (岩波科学ライブラリー)
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韓国歴史地図 韓国教員大学歴史教育科・著 吉田光男・監訳

 韓国における歴史的な動きを地図上に落とした歴史地図。歴史地図は大好きなので、韓国を中心としたそれが読めておもしろかった。
 日本による(本書では訳者の説明つきで「日帝」と表現されている。ある意味では感覚的に切り離せてしまう)朝鮮の植民地化にはたまらない気持ちにもなる。
 王妃の殺害はまずい……と感じるのも日本的な感覚が部分的に投影されている気がしないではない。ならばなおさら、なぜやってしまったのかと考える。

 古代史の展開は純粋に楽しめて、各王朝の栄枯盛衰が興味深い。新羅は首都の位置が悪すぎるのでは?後の歴史を考えても東側から朝鮮全土を支配するのは難しそうだ。
 そういう感覚では韓国も朝鮮民主主義人民共和国も全土を支配できる位置に首都をおいていると言えなくもないのかな?

 「元冦」に際して「高麗・元連合軍」と高麗を先にならべている点に複雑な心理を感じる。日英同盟みたいに自国を先に出すものだけれど、この場合でも、そうしていいものなのか。

 内政に関しては中国の制度を、中国以上に純粋な形にして取り入れている印象があった。外来の権威を梃子にすることでごり押しが利くのかもしれない(日本人もやるけれど、さらに徹底している?)。
 歴史的な経緯で韓国人は「システム化」が得意そう。こういう特性がサムスンのスマホ事業などに反映されているのかな。

関連書評
朝鮮三国志〜高句麗・百済・新羅の300年戦争 小和田泰経
新・歴史群像シリーズ8 朝鮮戦争〜38度線・破壊と激闘の1000日
東アジア地図帳 今谷明・樋口広芳・石川剛 監修 アイランズ編

韓国歴史地図
韓国歴史地図
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オーロラ! 片岡龍峰 岩波科学ライブラリー243

 第一線のオーロラ研究者によるオーロラ解説および研究事例紹介書。
 前半はまさにホワイトボードに描いたようなイラストでオーロラ発生の仕組みが説明されており「太陽風が地球の磁場にとらえられてうんたらかんたら」という通説の誤りが正されている。
 複雑な数式は出てこないので物理や数学が苦手な人にも安心。

 でもやっぱり物理や数学に強い方がこしたことはないようで、がんがん理系の知識を駆使していそうな研究事例がたくさん出てくる。
 オーロラに対する三角測量は計算はたいへんそうでも、原理的には理解しやすい部類かなぁ。

 オーロラを3Dで見るためのプロジェクトやそこから発展したオーロラの高さを求める研究など、リアルタイムに近い最新の話がエキサイティングだった。
 一方で、北極圏に旅をするというスタンダードな冒険要素も隠れている。

 巻末にはオーロラが27日周期(太陽の自転速度)で活発になることや撮影に適したカメラの設定などが紹介されていて、実際にオーロラを見に行く一般人にも役立つ情報が載っていた。
 自分は生涯でオーロラをみることがあるのだろうか……と物思いにふけってしまった。

関連書評
時を刻む湖〜7万枚の地層に挑んだ科学者たち 中川毅

オーロラ! (岩波科学ライブラリー)
オーロラ! (岩波科学ライブラリー)
風呂桶から飛び出して全裸で走り回りそうなタイトルだなぁ(凍死しちゃう)。
カテゴリ:天文 | 08:49 | comments(0) | trackbacks(0)

人類が火星に移住する日 矢沢サイエンスオフィス・竹内薫

 火星有人探査とテラフォーミングに関するまとめ2015年版。テラフォーミングが考え出された経緯から説明してくれるため、他の本で読んだ内容も多く存在した。しかし、データは最新のものに更新されているので、詳細な計算の数値などは興味深い。
 どうしてもキムスタンリーロビンスンのマーズ三部作で植え付けられた印象で火星テラフォーミングを解釈してしまう。そのため惑星工学的な乱暴な方法については否定的になってしまう。
 しかし、ポール・バーチの指摘するテラフォーミングの完成までに時間が掛かりすぎては投資が集められない問題はよく考える必要がありそうだ。
 火星の表面で鉱物探査・採取をおこなうならテラフォーミングしないほうが良さそうだし……そもそも紹介されている小惑星から金属を得る方法の方が効率的だろうな。

 最後に出てくるパラテラフォーミングはいろいろな問題を解決しているだけに、テラフォーミングに関する諸問題をみてきた身としては飛びついてしまいそうになる。
 まさにその点で警戒心を抱くのだが、自分が生きているうちに少しでもテラフォーミングの片鱗がみたい人間には希望の灯火だろう。
 昔はもっと簡単に感じられていたのだが、データが集まるほどに、どんどん遠ざかっていく気分もある。だがやっぱり近づいていると信じたい。

 金子隆一氏が亡くなっていたことをまえがきで知った。軌道エレベーターの本などで、とても印象的だった。竹内薫氏は元気にコラムなどを書いており(笑)を多用してくれていた……。

関連書評
火星〜最新画像で見る「赤い惑星」のすべて ジャイルズ・スパロウ 日暮雅通・訳
宇宙 未知への大紀行2 宇宙人類の誕生
火星地球化計画 竹内薫

人類が火星に移住する日 --夢が現実に!有人宇宙飛行とテラフォーミング-- (知りたい!サイエンス イラストレーテッド)
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カテゴリ:天文 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0)

HST ハッブル宇宙望遠鏡のすべて 沼澤茂美・脇屋奈々代

 歴戦の古強者、ハッブル宇宙望遠鏡の成果を太陽系内の惑星から、130億年前の銀河まで幅広く紹介する一冊。学術的な価値があるだけではなく、非常に美麗で見応えのあるハッブル画像が楽しめる。
 惑星状星雲の一覧は宝石箱をあけたみたいで本当に綺麗だった。あるいはケーキ屋さんのウィンドウみたいと表現しても良いかもしれない。
 まだ惑星状星雲になっていないが、レッドレクタングルがテーブルカットのレッドベリルみたいで綺麗だ。

 太陽系内天体については探査機が実際に接近しているので、もっと解像度のいい画像を得られている場合もあるが、他の天体に関してはほとんどがハッブル宇宙望遠鏡の画像がベストと思われる。
 冥王星の画像では、ニューホライズンズが撮影したハート模様がハッブル宇宙望遠鏡から得られた画像の段階でなんとなく分かってニヤリとした。
 ガリレオ衛星やタイタンなど外惑星の衛星まで模様を撮影できていることが本当にすごく、宇宙望遠鏡の威力を思い知らされる。

 イータカリーナ星がベテルギウスと同じくいつ爆発してもおかしくない星であることを知った。宇宙には爆弾ばっかりだなぁ。

 銀河を超えて銀河団まで対象がひろがると、ちょっと脳がついていけないところがあった。アインシュタインリングには、どこまでアインシュタインの名前にあやかるのかと……。
 四半世紀をこえて稼働しているハッブル宇宙望遠鏡だが、まだまだ成果をあげてくれることと信じる。スペースシャトルが退役してメンテナンスができない状態になっている点が解決されてほしいものだ。

HST ハッブル宇宙望遠鏡のすべて~驚異の画像でわかる宇宙のしくみ~: 太陽系から最果ての銀河まで…宇宙がはっきりと見えてきた
HST ハッブル宇宙望遠鏡のすべて~驚異の画像でわかる宇宙のしくみ~: 太陽系から最果ての銀河まで…宇宙がはっきりと見えてきた
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月刊ニュートン2015年10月号

NGK SCIENCE SITE
 あまりにも単純なので追加実験があった。柘植先生の小説(逆撃の武田信玄シリーズだったかな)で、鉛を空中から水中に落として弾丸を作るシーンがあったのを思い出した。
 何事も試してみるものだな。

受精卵からヒトへ
 性同一性障害についての説明を期待したが、その辺りには触れられなかった。胚子の段階では汚染物質の影響を受けやすいというくらいかな。いろいろな生まれつきの病気や障害への関係が記述から想像できて興味深いのだが、詳解がないと想像で終わってしまうところがある。記事に甘えずに自分で調べないとなぁ。

灼熱の太陽 厳選ショット
 日本の宇宙天文台もこの分野では活躍しているのだが、アメリカの衛星がとらえたショットがもっぱら紹介されている。
 まったく太陽のエネルギーは膨大である。うまくエネルギーをいただくことができればエネルギー問題が解決するのにとついつい夢見てしまう。宇宙空間での太陽光発電が実用化されれば一歩進んだことになるだろうか。

海のかくれんぼ
 共進化の言葉がやたらと好きなライターだ。片方が滅びれば両方滅びるリスクもあるわけで、それよりメリットが大きくなくても成立するのか、興味がある。
 それにしても良く海中でかくれんぼしている生物をみつけられるなぁ。よほど水中の視界に慣れているのだろう。

陸の大群集
 オグロヌーの群れは移動で2割が死亡するというのが劇的。でも、野生動物へのイメージからすれば生き残るとも思える。平均寿命にもよるな。
 ジャコウウシの群れが格好良い。島にどれだけの個体数があるのかと思ったけれど、凍結した海を渡って合流することもあるのかな?

探査機が目撃した冥王星
 冥王星は寒すぎるので氷が強度をまして3500メートルの山を支えられるまでになる!?なんとも凄い話だ。
 今後も続報に期待。裏側の地学があまり語れそうにないことが残念。

性転換する魚たち
 人間の受精卵の話とおなじ号に載せているのは狙っていそう。魚の場合は生殖器の差が少ないため、性転換のコストよりもメリットが上回るという話。
 生きる環境によってハーレムか、一対一かなどが決定されて、性までもが大きな影響を受ける。生命の神秘である。

地球温暖化が台風を強くした
 高緯度地帯では台風の動きが予測しにくいらしい。二酸化炭素排出は高緯度からの方が多いだろうに、まず明らかな被害を受けているのは低緯度という……アメリカは南部にちょくせつ食らっているなぁ。地球温暖化自体を認めたがらない連中も多いみたいだが。

ラッコ
 贅沢な大食らいども、こんにちは。漁師に憎まれる海のアイドルラッコの説明。毛の密度がしょうじき羨ましくなったが、人間と違って一部でも脱毛したら生死に関わるので危機感には大きな差はないどころかラッコの方が上かもしれない。
 肉球部分が冷えるので万歳しているのが面白い。大気中の方が寒い場合は水中に手をつけるのかな?

トリケラトプス
 人気者恐竜トリケラトプス。その一族ごと紹介される。漫画「竜の国のユタ」を思い出しながら読んだ。スティラコサウルスとか出てきたなぁ。
 尖ったパーツがバランス良く配置されたトリケラトプスのデザインはやっぱりカッコいい。神って天才ね!

Newton(ニュートン) 2015年 10 月号 [雑誌]
Newton(ニュートン) 2015年 10 月号 [雑誌]
カテゴリ:天文 | 22:08 | comments(0) | trackbacks(0)

星降る絶景〜一度は見てみたい至極の星景色 沼澤茂美

 天体写真の第一人者、沼澤茂美が世界中でとった星空写真の写真集。
 南半球での写真を多数収録し、中には南極での写真まである!チリの天文台で撮られた写真が撮影者の推しっぽい。
 マチュピチュと星空の写真もあれば、なぜかマチュピチュそのものの写真も収録されている。

 日本では水田にうつる星「だけ」を写した写真なんかもあって自由に楽しく良い作品を作られている印象がした。
 皆既日食の連続写真をみると、さすがに高い技術が安定していることが分かる。カメラを複数台そろえても一発勝負だからなぁ。気象条件もいろいろだろうに、きれいに等間隔に撮るなぁ。

 ただ、ラブジョイ彗星と天の川が平行しているという写真では、どこが彗星なのか、なかなか分からなかった……解説を読んで「たぶんこれだろう」と同定する状態。ラブジョイ彗星単体の写真ははっきりしているのだが。

 技術でとられた写真もよいけど、めぐまれた条件でとられた横道光の写真などに、そこだけでしか撮れない貴重さと憧れを覚えた。

関連書評
FAR OUT(ファー・アウト)銀河系から130億光年のかなたへ マイケル・ベンソン/檜垣嗣子
よくわかる天体望遠鏡ガイド えびなみつる

星降る絶景: 一度は見てみたい、至極の星景色
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カテゴリ:天文 | 20:58 | comments(0) | trackbacks(0)

大宇宙MAP〜天体の距離から見えてくる宇宙の構造〜 沼沢茂美・脇谷奈々代

 地球を中心にして、徐々に距離の離れた天体へ。地動説的な視点から描かれる宇宙の姿。太陽を中心にしないと内惑星と外惑星が入り乱れて出演してくる。まぁ、木星からは外惑星が連続するので、太陽を無視すれば岩石惑星とガス惑星でうまく分別できている。
 小惑星の大きさ一覧にイトカワが出演できていなかったのは、まことに遺憾というか、準惑星連中にくらべるとあまりにも小さすぎてドットにしかならないので仕方がない。

 なにげに新鮮で楽しかったのが、太陽のご近所さん恒星たちの情報だ。有名どころのアルファケンタウリやシリウスだけではなく、肉眼でギリギリみえる近傍恒星も四行で説明されている。
 アケルナルを読み間t……はっはっは。

 星雲は有名どころの有名画像が多かったが、コホーテク星雲K4-55は初めて知った。礁湖みたいで美しい。
 銀河系の外側に出ると、離れるほどに化け物だらけになっていく印象……目立つ連中がとりあげられるのだから当然か。M31の質量が天の川銀河の2倍であることを悔しがるのは宇宙最大規模のナショナリズムと言えるかな。
 ソンブレロ銀河はあいかわらずお美しい。ステファンの五つ子に相互影響していないNGC7320がいることで、五姉妹にひとり義妹が混じっている設定の作品にやさしくなれる気がした――などと意味不明の供述をしており。

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天体観測の教科書 惑星観測[編] 安達誠・編
宇宙に強くなる100のキーワード ニュートンムック

大宇宙MAP ~天体の距離から見えてくる宇宙の構造~: 地球から宇宙の果てまで (大人のための科学入門)
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カテゴリ:天文 | 22:47 | comments(0) | trackbacks(0)

火星―探査衛星写真(普及版) NASA協力 小尾信彌・訳

 火星をはじめて周回して画像を地球に送ってきたマリナー9号による火星画像約180枚と、この本が書かれたときにミッションを始めていたバイキング探査機による画像36枚を収録した1976年の本。ただし普及版として2003年に刷られた第4版を読んだ。

 火星の地形が多くの点で地球や月との対比から理解できること、それでも解けない謎が残されていることが説明されている。
 解釈は古いものの目の前にあらわれた現象にたいして無力ではなく、なんらかの理解を与えている。地球での同様の地形の研究と、先行する月での蓄積があったればこそ、だろう。
 おかげで比較惑星学の創生期に立ち会っている気分になれた。

 ただ、やはり解釈が古いところはあって、クレーターの中央の盛り上がりを衝撃の反動ではなく、火山活動と解釈したがる傾向が見られる。河川が流れたと説明する場所を「月のリルに似ている」と表現するのも、矛盾している。太古の月に流水があったとするなら別だが……。
 そのような不満はあったものの逆に最新の解釈はどうなっているのか興味をかき立てられるところでもあり、地学頭の体操になった。断層の切断関係など、まるで教科書的な現象も捉えられている。

 画像はモノクロで解像度は100m程度、不鮮明だったりカメラのせいで現れる黒点が気になったりするものの、現在の火星写真集では見られない画像も多く収録されているはずで「処女地」の姿に目を楽しませることができた。

関連書評
火星〜赤い惑星の46億年史 Newtonムック
火星〜最新画像で見る「赤い惑星」のすべて ジャイルズ・スパロウ 日暮雅通・訳

火星―探査衛星写真
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カテゴリ:天文 | 16:15 | comments(0) | trackbacks(0)

火星〜赤い惑星の46億年史 Newtonムック

 フランソワ・フォルジェ、フランスワ・コスタール、フィリップ・ニョーネ共著、水谷仁Newton編集長訳!
 水谷編集長が翻訳した火星の2009年1月における決定版科学冊子。それまでの成果を様々な視点からまとめており、たいへん興味深い図解がたくさん出てくる。
 特に火星の大気循環に関する図には強い関心をそそられた。フランスからの地上観測が、風のデータに反映されていると別のページにあって、いまだに地上の天文台が大きな仕事をしていることに強い感銘を受けた。

 マーズ・エクスプレスの件をみてもフランスは大活躍で、工業製品一般のイメージを覆している。ドイツはもちろん、イタリアもいい機器を提供している模様。スウェーデンもお忘れなく。
 一方、イギリスはビーグル2に集中していたので謎の失敗によって、エクスプレスの活躍を誇りに思う切符を失った?……まぁ、何かしら貢献があるには違いないが、残念な結果になってしまった感じはある。
 ビーグル2の経験を活かして、エクゾマース計画で活躍してくれることを期待。

 この手の本は予算獲得支援の意味もあるのか、最後の方に探査計画の話をもってくるので、科学的な成果の印象が薄れてしまう弱点がある。まぁ、あとがきにあったように本書で紹介されていることもまだまだ仮説にすぎず、新しい探査によって覆されていく可能性があると認識するためにも、探査計画の話題は必要なのかもしれない。
 砂丘に見られるガリーを説明する理論はまとまったのかなぁ。本当に数百年前に形成されたなら、地軸の傾きによる大気圧の増加で液体の水が地表に存在可能になった説も違和感がある。もうちょっと古くないと、おかしいのでは?

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ローバー、火星を駆ける スティーヴ・スクワイヤーズ

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