おもしろふしぎ日本の伝統食材2〜さといも おくむらあやお

 中川学・絵。萩原一・写真。
 さつまいもやじゃがいもが日本に伝来する前から食べられてきたさといも。伝統食材の視点から言えば、「いも」と言えば「さといも」を指すはず。
 そんな作物の料理方法を紹介した絵本。

 いろいろ凝った料理を紹介したあと、あとがきで著者が好きな味として「衣かつぎ」を挙げている。
 ただゆでて剥いただけのさといもに塩をつけて食べる料理とも言えない料理を……ちょっとした空しさがある。

 素材に依存するが、さといものおいしさを楽しむには、もっとも向いた食べ方なのは間違いない。

 いもそのものではなく、ずいきの料理も紹介されていて、日本人とさといもの関係の深さを感じさせる内容になっていた。

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つくってあそぼう24〜こんにゃくの絵本 たかはたひろゆき・へん

 やまざきかつみ・え。
 中国から日本に伝わり、日本で最も食べられているコンニャク(海外ではミャンマーの一部などで伝統的に食べられているらしい)。よほど日本の風土や食文化にあっていたと思われるコンニャクの作り方が紹介されている。

 最初に生芋コンニャクがあって、こんにゃく粉が江戸時代に発明されてからは、もっと白いコンニャクが生まれてくる。だが、西日本では生芋コンニャクを模すために海草を入れて黒い粒々の入ったコンニャクにしていたりする。
 西日本は固めで、東日本は柔らかめが好きという話もあって、蝸牛論的な地域文化の話にもなっていた。

 現代はゴム手袋などがあって、かぶれる危険を減らしてコンニャクを作れるところがいい。
 これだけヘルシーな食べ物なのだからアメリカなどに国を挙げて売り込んでもいいんじゃないかと思った。

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こんにゃくの絵本 (つくってあそぼう)
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つくってあそぼう8〜ソーセージの絵本 やまぐちまお・え

 伊賀の里モクモク手づくりファーム・へん。
 表紙になっている謎の耳を持った生物の正体は最後まで明らかにならなかった。何もしらない子供が読んだら、ソーセージ発祥のドイツの人間は、この絵みたいな姿をしていると妄想するかもしれない。

 中国にも香腸と言われるソーセージがあり、韓国では隠し味にコーラを入れた!ソーセージなんてものもある。
 東アジアでも日本だけがソーセージの文化をもっていなかったわけで、肉食禁止はやっぱり不思議だ。そういえば肉食禁止を出したのは天皇なのに尊皇の明治政府はどうして肉食文化の流入を容認したんだ?
 いちいち欺瞞ばっかりなんだよなぁ。

 ソーセージづくりには低温で材料を混ぜることが欠かせず、一度でも温度が上昇すると味が落ちてしまう。
 ならば、氷が簡単に手に入らなかった時代のソーセージは、今より不味かったのではないか。中世ヨーロッパの人間にいまのソーセージを食べさせたらビックリしそうだなぁ。
 まぁ、できるだけ気温の低い時間に仕込むなどの手段は使われていそうではある。

 各種ソーセージの紹介写真がどれもおいしそうで、見ているだけでお腹が空いてしまった。今日はソーセージだな。

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ソーセージの絵本 (つくってあそぼう)
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そだててあそぼう75〜ブロッコリー・カリフラワーの絵本

 ふじめゆきひろ・へん。すぎたひろみ・え。
 元は同じだけど多彩に広がるアブラナ科ワールド!ケールからはじまり、上にキャベツ兄さんやメキャベツ姉さんをもつ、ブロッコリー・カリフラワー兄弟の絵本。
 コールラビなんて兄弟がいることを初めて知った。アブラナ科野菜は広大だわ。

 ブロッコリーは花のつぼみで、カリフラワーは花床と花芽という違いがあり、そのために姿は似ていても風味などから違っている。
 ただし、ややこしいことにカリフラワーの一種としてブロッコリーの名前が使われた歴史があるらしい。
 カリフラワーにはいろんな「バグ」もあって、妙な形状になってしまいやすいことが興味深かった。やはりブロッコリーよりも不自然な状態なのだなぁ……栄養もブロッコリーの方があるみたいだし、人類の嗜好以外に食べる理由がない。

 イタリアがブロッコリーの本場で、日本の気候が地中海性気候とはかけ離れているために、栽培には苦労があるようだ。苗を植えたら畝全体に寒冷紗を掛けて数日ガードした方がいいのは相当弱いと思った。
 まぁ、そんな手間を掛けるだけの価値を認められている野菜ではある。

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そだててあそぼう67〜ハクサイの絵本 わたなべえいえつ・へん

 みねぎしとおる・え。
 ハクサイの日本における歴史はわずか100年。日清戦争・日露戦争の時期に日本に渡ってきて、いまや日本料理に欠かせない食材になっているハクサイ。
 その育て方が分かる絵本。

 日本での歴史がそんなに浅いのに、「健康にいい日本食」を研究したヨーロッパ人によって、向こうでの生産量が増えている話がずいぶんな冗談だった。
 まぁ、百年ならば寿命に対する影響の試験は済んでいると考えられるかな。

 それにハクサイの類似作物は以前から育てられていて、日本人は似たような栄養素をそっちから得ていたかもしれない。
 そのためにハクサイに雑種ができて新しい種が結球しない問題に悩まされたことが面白かった。松島は島ごとにハクサイを育て分けたことがわかったけれど、愛知県や石川県はどんな対応をしたのだろう?山間部で育てるって奴なのかなぁ。

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そだててあそぼう55〜ミカンの絵本 かわせけんじ・へん

 いしまるちさと・え。
 ミカンと言えば温州みかん!でも、実は紀州みかんは来歴のことなる別の品種だったりする。品種改良によってとても広い品種をもつに至った柑橘類の育て方を紹介する絵本。
 タイトルにミカンとあるのは柑橘では子供の読者に伝わりにくいためのようだ。

 育てるものとしては温州みかんが一番に来ているけれど、別にレモンを鉢植えで育てたり、酢ミカンを接ぎ木を利用して一本の木に三種類育てたりすることが紹介されていた。
 レモンや酢ミカンは使用量が限られているから鉢植えでも家庭用には、それなりに満足できる量が得られるのではないか。なんともロハスな感じがする。
 人の育てた大きなお化けレモンを見たことがあったのだが、枝に付けっぱなしにしておけば自然となるそうだ。でも、ジュースが減るので直径5.5cmくらいで収穫した方がいいらしい。

 温州ミカンの場合はヘタが黄色くなるまでならしておくと最も美味しい実になるのだが、それをやると木の体力を奪ってしまい翌年の収穫に悪影響がある。
 すべての実のヘタを黄色にする木と、全部摘果して休ませる木を半々にしておけば最高のミカンを毎年楽しめるとのこと。
 そうして収穫量度外視で味わうミカンこそ自分で育てる醍醐味のあるミカンなのではないか。

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つくってあそぼう40〜保存食の絵本5魚介

 こしみずまさみ・へん、かわかみかずお・え。
 保存食の絵本シリーズの最後は日本人が貴重な蛋白源にしてきた魚介類の保存食。おおむね干物のことをさしているが、発酵食品であるなれずしにも少し触れている。
 かつおぶしもあるが、カビを使わない荒節なので発酵食品とは言えない。

 個人的に体験でタコの干物を作ったことがあるのだが、ちょっと液にくぐらせただけで濃厚な味がつくことに驚いたものだ。
 保存に必要な塩分濃度を考えれば、味があるのも当然のことかもしれない。もっとも現代の干物は昔の干物よりも塩分を控えめにして、pHや酸素、温度などをコントロールすることで保存性を向上させているらしい。
 塩分とりすぎの危険を考えれば、こっちの方が健康的である。あるいは、もどすための水を節約できそう。

 昔のやりかたも、それはそれで興味深いもので、何かあったときのために覚えておいても損はない。釣りに行って釣れすぎたとか。
 いろいろな保存食が紹介されているが、アンチョビやかきのオイル漬けは1ページで紹介するには難易度が高そうにみえた。浅く広い本で紹介するのに向いていたのかどうか――でも、いないとよけいに単調になるなぁ。

 絵はあわいが描き込みはしっかりしていて見やすい。ただ、調理シーンには登場人物のアクセントがほしかった。文の方にも原因はあるが、絵本と言うよりレシピになってしまっていた。

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つくってあそぼう39〜保存食の絵本4乳・肉

 家畜はそれ自体が保存食の一種。狩りで取る動物と違って、新鮮な状態で手元においておいて、必要な時期に新鮮な肉を得ることができる。
 そんな説明から乳や肉を加工して保存食をつくる方法について説明していく。

 最初は乳を加工したヨーグルトやバターの話なのだが、チャーシューやソーセージの作り方になると少々血なまぐさい。
 かわいい牛や豚、鶏のイラストがつけられている影響もあって「つくってあそぼう」とばかり考えていられない気分になる。
 それにしてもイラストに出てくる動物が減っていって少年と犬だけになる演出が怖い……少女が途中に1ページだけ出てきたのは料理をごちそうされただけだとして、豚さんや鶏さんはどうなってしまったのか?
 人間の友達の地位につけた犬がずるい。

 くんせいを作る方法にダンボールを2つか3つ重ねて簡単な薫製装置をつくる方法が紹介されていた。
 少なくとも庭のある家じゃなければできないな。煙に含まれている成分には工業的にやっかいな思い出のある「タール」が含まれているが、何事も分量しだいで良い方向にも悪い方向にも働く例であろう。
 巻末解説を読むと古代には日本にも肉や乳利用の風習があったのに断絶し、江戸時代以降になって利用が復活した流れがわかる。日本の食文化の中でも不思議な部分である。

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つくってあそぼう38〜保存食の絵本3米・麦・豆・いも

 こしみずまさみ・へん、おかたさとの・え。
 元々保存にむいた形態をとっている穀物を加工して保存する方法を紹介する。米や麦はもみの状態が理想だが、大豆やさつまいもは保存性において劣る部分があり、それだけに工夫の余地がある。
 さつまいもの粉でだんごや麦芽あめをつくる方法が新鮮で興味深かった。麦芽の酵素を使う工夫を最初に考えた人物は偉大だ。どうやって見つけたのだろう?一部が発芽した麦を処理していて偶然ってところかなぁ。

 個人的には大麦を煎って粉にした香煎(はったい粉)がもっとも親しい保存食だった。
 そういえば賞味期限を大幅にすぎたきなこが手元にあるのだが、どうしよう……たまに使うと食べられるから困る。どこかで地雷になりそう。

 ハーブの絵本でも炸裂していたおかたさとの先生のシュールなイラストは健在だ。男の子と女の子がつねに真顔で作業しているので非常に腹筋がつらい。
 もろてをあげてポーズを取っているのが、戦う市長のフライングボディプレスのポーズに見えた。体型がプロレスラーなんだもん……プロレスラーが幼児体型的な要素をもっていると考えるべきか。
 そのせいか食べている関係で口が笑顔の形になっている絵が妙にかわいく見えた。

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保存食の絵本〈3〉米・麦・豆・いも (つくってあそぼう)
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つくってあそぼう37〜保存食の絵本2くだもの

 こしみずまさみ・へん、うえだまこと・え。
 気候に恵まれた西アジアからヨーロッパの地域ではドライフルーツが作られている果物。日本では湿度が高いので、歴史的にあまり活発ではなかったが、干し柿の例がある。
 干し柿の作り方を代表にして、くだものの保存食の作り方が紹介される。

 干し柿をつくった時の柿の皮を干してとっておいて、たくあんを作るときに甘みをつけるのに利用するテクニックに生活の知恵があふれている。昔は甘味料が貴重だったからなぁ。
 ただし加熱してしまうと苦みが外にでてきてしまうので、柿の甘みは利用注意らしい。

 ジャムの作り方ではレモン果汁がひたすら大活躍。大量に絞りまくっている。レモン絞り器はこういう用途に使うのか。
 ガラス瓶の殺菌方法がしっかりやれば家庭でも工場に近い効果をだせる雰囲気で楽しかった。道の駅で売っているジャムなんかは、そのままの方法で殺菌されているのかなぁ。賞味期限はどうやって決まるのだろう。

 絵はくだものの表面を描くのに向いた優しいタッチが魅力的だ。作業者はきょうだいだけかと思いきや、果実酒の製造は両親の仕事になっている。

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つくってあそぼう9〜ジャムの絵本 こしみずまさみ・へん

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保存食の絵本〈2〉くだもの (つくってあそぼう)
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