そだててあそぼう71〜ソラマメの絵本 こぐれきよし・へん

 かとうまふみ・え。
 日本には天平時代に伝来。僧侶が中国からもってきたソラマメの絵本。
 米と小麦の収穫期の間にとれる貴重な作物として活躍してきたソラマメの歴史は古く深い。ソラマメで、もちやあんも作ることができるそうで、インゲンマメの利用方法を連想した。というよりも、新参のインゲンマメがソラマメのニッチを奪っているのかな?

 本来は種をつくりながら茎が伸び続ける「無限伸張性」をもっているが、人間が大きくなるように改良したタネとの間で栄養の奪い合いが起こって、うまく成長しなくなる点が興味深い。
 まだまだ品種改良は中途にあると考えてもよいのかもしれない。
 ところで、サヤの中にある白い「梱包材」を何かに利用できないものか。利用しようにも堅い皮を取るのが面倒くさいんだろうなぁ。

 絵は成人男性の鼻の穴をしっかり二つ描くところが特徴的だった。そのあたりはリアル志向ながら、幼児がとてもかわいく描かれている。

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ソラマメの絵本 (そだててあそぼう)
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そだててあそぼう47〜ホウレンソウの絵本 かがわあきら・へん

 いしくらひろゆき・え。
 アララト山あたりが原産。東と西に伝わるいつものコースだが、日本では東洋種が優位にある点で、ちょっといつもと違う部分のあるホウレンソウの絵本。
 ただし種の形状はあつかいやすい西洋系の丸い種でそろえられている。

 蓚酸カルシウムより肥料の硝酸が危ない。その情報だけを真に受けてしまうと肥料をやりにくくなってしまいそうだ。なかなか加減の難しいもので、薬も度がすぎれば毒となると考えるしかない。

 ホウレンソウに雄株と雌株があることも新鮮な情報だった。いちおう雌雄同株もあるのだが、交配のうえでは雄株として扱われているらしい。
 まぁ、若い葉っぱを食べる作物だから花をみる機会は滅多になさそうだ。でも、花をみるために育ててみるのも家庭菜園の楽しみかなぁ。
 種と書いているけど、実際は乾燥させた実というところもややこしくていい。

 ホウレンソウへの話しかけを推奨している(だけならまだしも葉が揺れて答えてくれると言っている)あたりは1926年生まれの著者なので……。

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ホウレンソウの絵本 (そだててあそぼう)
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そだててあそぼう46〜ピーマンの絵本 たかはしひでお・へん

 たけうちつーが・え。
 ごめんねピーマン、読むのが最後になって。
 栄養は豊富ながら嫌いな人も子供を中心に多いピーマン。その歴史はトウガラシから枝分かれしている。辛さのない甘いトウガラシがピーマンという話だが、いくら相対的なものでもピーマンの味を「甘い」と表現することに違和感を覚えた。どうしても苦いイメージがある。
 パプリカなどのカラーピーマンが流通してきて、そんなイメージも払拭されるのかなぁ。まだまだ人間とピーマンの関係は変化の可能性を残している。

 アメリカ大陸の暑い地域が原産地であるため、育成には高い温度が必要だ。水を大量に必要とする割には、じめじめには弱いあたりはなかなかワガママな作物と言える。追肥も必要だが、それは人間が実を大きくさせたせい。

 実が中空で傷つきにくいために、機械による選別や梱包が可能という視点が新鮮だった。
 無精な宮崎県の県民性にピーマンはあっていたそうで……あとがきのおかげで宮崎県民に対する余計なイメージまで育んでしまった。

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ピーマンの絵本 (そだててあそぼう)
ピーマンの絵本 (そだててあそぼう)
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iPhoneアプリ完全大事典 2017年版 田中拓也・永田十八

 タイトルのとおり、iPhoneアプリを大量に紹介してくれる一冊。
 QRコードがついていて、読みとることでインストールページに飛ぶことができる。そのために紹介されているアプリが有料でいきなりハードルが設けられている感じだったが……検索して一緒に出てきた別の無料アプリをインストールした。ピント調節機能など、有料品の方が優れている可能性がある。

 とりあえず気になるアプリを片っ端から入れてみたのだが、あまり使いこなせる自信はない。そもそもアプリの内容を忘れそうなので本書を手放しにくい。
 こちずぶらりのコンセプトは素敵なのだが、日本の古地図は大都市のものに偏っていて親しみはもてなかった。もっと充実することを願う。
 Mars Globeも拡大があまり効かない。でもおおざっぱな地名を覚えるのにはよさそう。
 ゲームよりも知育関係に収録されている「ピタゴラン」みたいなアプリが興味深い。昆虫と鳥の図鑑はダウンロードした。NHKのコダモンはちょっと子供だましがすぎたけど。花しらべも有料ながらほしいアプリである。
 ひとまず角川類語新辞典と一緒に値引きが通知されるCatchAppに放り込んでおいた。

 インストールしたアプリにふりまわされず、うまく使いこなせるといいなぁ。クラゲ育成だけ残ったりして……。

今すぐ使えるかんたんPLUS+ iPhoneアプリ 完全大事典 2017年版 [iPad/iPod touch対応]
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全訳「武経七書」1 孫子・呉子 守屋洋・守屋淳

 武経七書としての孫子・呉子。まえがきで孫子とその他の間にある格差が紹介されている。特に司馬法と李衛公問対は数十年あたらしい本が出版されていなかったそうで……私もこのシリーズでしか読んだことがない。ただし、書き下し文だけならインターネットで読める。

 1巻はもっとも有名で人目に触れている孫呉の訳だが、それだけに訳の性質が読みとれた。
 最初に書かれている日本語訳は意訳の傾向が強い。すらすらと読めて理解しやすいが、頭を使って噛み砕く感じは弱くなる。そういう時は解説の後にある書き下し文を読めばいい。他の本との訳を比較するためにも書き下し文はあった方が助かるのだが、訳者は前書きで「書き下し文と漢文はなくてもいいけど、一部の好事家用につけた」と述べている……まぁ、自分が好事家であることは否定しない。
 自分もしょうじき漢文はまともに目を通していないが情報の圧縮されぶりをみるのは楽しい。
 孫子と呉子はそんなに文字数に大きな差はなかったと思うのだが、本書で占めているページ数は大きく違っている。孫子の方が熱心に解説され、翻訳もかんで含めるところがある。
 歴史的な扱いの差に切なくなると同時に、呉子が硬派でカッコいい気もしてくる。

 呉子は理想とする軍事と、本人が行わなければいけなかった軍事に差がある。戦いを避けるべきと自分が分析する要素をもつ相手(秦)と正面からぶつからざるをえなかったし、充実をもとめた政治へ口出しできる権限も完全ではない(魏の時代は特に)。
 そんな状況で結果を出したからクールだし、兵家でありながら陰謀に倒れても名誉を保てるのかもしれない。

 あと、料敵編の戦うべきではない敵の例は、戦争を防止する軍備を整えることを考えるうえでも役立つ気がした。ただし、「敵」がちゃんと諜報活動をしてくれる場合に限る……。

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おもしろふしぎ日本の伝統食材10〜海そう

 おくむらあやお・作。中村学・絵。萩原一・写真。
 日本人が昔から食べてきた海藻。世界でも最も海藻を食べる民族だと解説しているが、沖縄料理も載っており琉球民族と大和民族の比較はしていないっぽい。アイヌも結構食べたのではないかなぁ。
 日本の地理的な環境と自生する野菜の貧しさが海藻食を後押ししたらしい。
 それにしても、前処理に10時間煮るなどが必要な海藻まで食べる意欲には驚嘆させられる。

 料理はいろいろな海藻の料理を一品ずつ紹介する感じになっている。
 寒天とところてんの関係がはじめて分かった。寒天の名産地に、海のない長野県の茅野市があげられている事実。物流が発達した時代でなければ寒天は成り立たなかったということか。

 見た目のこともあって、むちゃくちゃ美味しそうと感じる料理は少なかったが、写真をみているだけで風味が口の中に浮かび上がる気がした。

おもしろふしぎ日本の伝統食材〈10〉海そう―おいしく食べる知恵
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おもしろふしぎ日本の伝統食材2〜さといも おくむらあやお

 中川学・絵。萩原一・写真。
 さつまいもやじゃがいもが日本に伝来する前から食べられてきたさといも。伝統食材の視点から言えば、「いも」と言えば「さといも」を指すはず。
 そんな作物の料理方法を紹介した絵本。

 いろいろ凝った料理を紹介したあと、あとがきで著者が好きな味として「衣かつぎ」を挙げている。
 ただゆでて剥いただけのさといもに塩をつけて食べる料理とも言えない料理を……ちょっとした空しさがある。

 素材に依存するが、さといものおいしさを楽しむには、もっとも向いた食べ方なのは間違いない。

 いもそのものではなく、ずいきの料理も紹介されていて、日本人とさといもの関係の深さを感じさせる内容になっていた。

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そだててあそぼう72〜サトイモの絵本 よしのひろみち・へん

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つくってあそぼう24〜こんにゃくの絵本 たかはたひろゆき・へん

 やまざきかつみ・え。
 中国から日本に伝わり、日本で最も食べられているコンニャク(海外ではミャンマーの一部などで伝統的に食べられているらしい)。よほど日本の風土や食文化にあっていたと思われるコンニャクの作り方が紹介されている。

 最初に生芋コンニャクがあって、こんにゃく粉が江戸時代に発明されてからは、もっと白いコンニャクが生まれてくる。だが、西日本では生芋コンニャクを模すために海草を入れて黒い粒々の入ったコンニャクにしていたりする。
 西日本は固めで、東日本は柔らかめが好きという話もあって、蝸牛論的な地域文化の話にもなっていた。

 現代はゴム手袋などがあって、かぶれる危険を減らしてコンニャクを作れるところがいい。
 これだけヘルシーな食べ物なのだからアメリカなどに国を挙げて売り込んでもいいんじゃないかと思った。

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つくってあそぼう8〜ソーセージの絵本 やまぐちまお・え

 伊賀の里モクモク手づくりファーム・へん。
 表紙になっている謎の耳を持った生物の正体は最後まで明らかにならなかった。何もしらない子供が読んだら、ソーセージ発祥のドイツの人間は、この絵みたいな姿をしていると妄想するかもしれない。

 中国にも香腸と言われるソーセージがあり、韓国では隠し味にコーラを入れた!ソーセージなんてものもある。
 東アジアでも日本だけがソーセージの文化をもっていなかったわけで、肉食禁止はやっぱり不思議だ。そういえば肉食禁止を出したのは天皇なのに尊皇の明治政府はどうして肉食文化の流入を容認したんだ?
 いちいち欺瞞ばっかりなんだよなぁ。

 ソーセージづくりには低温で材料を混ぜることが欠かせず、一度でも温度が上昇すると味が落ちてしまう。
 ならば、氷が簡単に手に入らなかった時代のソーセージは、今より不味かったのではないか。中世ヨーロッパの人間にいまのソーセージを食べさせたらビックリしそうだなぁ。
 まぁ、できるだけ気温の低い時間に仕込むなどの手段は使われていそうではある。

 各種ソーセージの紹介写真がどれもおいしそうで、見ているだけでお腹が空いてしまった。今日はソーセージだな。

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そだててあそぼう49〜ブタの絵本 よしもとただし・へん

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ソーセージの絵本 (つくってあそぼう)
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そだててあそぼう75〜ブロッコリー・カリフラワーの絵本

 ふじめゆきひろ・へん。すぎたひろみ・え。
 元は同じだけど多彩に広がるアブラナ科ワールド!ケールからはじまり、上にキャベツ兄さんやメキャベツ姉さんをもつ、ブロッコリー・カリフラワー兄弟の絵本。
 コールラビなんて兄弟がいることを初めて知った。アブラナ科野菜は広大だわ。

 ブロッコリーは花のつぼみで、カリフラワーは花床と花芽という違いがあり、そのために姿は似ていても風味などから違っている。
 ただし、ややこしいことにカリフラワーの一種としてブロッコリーの名前が使われた歴史があるらしい。
 カリフラワーにはいろんな「バグ」もあって、妙な形状になってしまいやすいことが興味深かった。やはりブロッコリーよりも不自然な状態なのだなぁ……栄養もブロッコリーの方があるみたいだし、人類の嗜好以外に食べる理由がない。

 イタリアがブロッコリーの本場で、日本の気候が地中海性気候とはかけ離れているために、栽培には苦労があるようだ。苗を植えたら畝全体に寒冷紗を掛けて数日ガードした方がいいのは相当弱いと思った。
 まぁ、そんな手間を掛けるだけの価値を認められている野菜ではある。

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ブロッコリー・カリフラワーの絵本 (そだててあそぼう)
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