孫子・三十六計 湯浅邦弘

 孫子のエッセンスと三十六計のすべてをあわせて収録した文庫。三十六計のテキストはあまりないので貴重である。解説もわかりやすくて良かった。

 孫子はいつも通りだが、銀雀山漢墓出土の竹簡本をまるで原典のように語っていることに違和感があった。原型に近くてもあれもすでに変容したテキストであることは間違いない。
 味方を重地に入れて戦わせる方法は、地形の情報において不利になりやすい。だからこそ孫子は情報の重要性を訴えるのであろう。その点でも用間編が九地編の直後にあった方が整合的である。
 反間を敵のスパイから情報を取ることと解説しているのは浅く感じた。偽情報を流すことが真骨頂なのでは?
 火計編の最後はゴシショや夫差をいさめる内容にしか読めなかった。長期間我慢して現実との折り合いがつくまで待てば実行が可能か。

 三十六計の説明で孔子の弟子である子コウが見事に縦横家の仕事をこなしていたことを知った。儒家もなかなかやりますなぁ。
 連環の例に創作である演技版、赤壁の戦いをあげるのはどうかと思った。孔明の東南の風も史実扱いしている。

関連書評
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孫子・三十六計  ビギナーズ・クラシックス 中国の古典 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス 中国の古典)
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24色でできる!はじめてのコピック背景 ばびりぃ

 コピックを使った背景の描き方を実例で指南してくれる。
 魔法のように絵ができあがっていく様子がわかって絵を描かない自分にもおもしろかった。かなりいろいろなことを考えてイラストが描かれていることも分かる。ひとつひとつの事例に引き出しを持っているのではなく、応用しているのだと思うけど、相当メモリーを使っている印象だ。
 こういう本やネット上の情報があるからアマチュアには非常にありがたい時代である。

 東京造形大学卒業の著者はさすがに画力が高くて、本書ではおまけとなるキャラクターの絵も幅が広い。個人的には角型おだんご頭の女の子が好きだった。
 おなじイラストでも背景のアレンジによってがらりと印象が変わることが実例でよくわかった。

 コピックの基本的な使い方を紹介するページも最後の方にあって0番の重要性が理解できた。

関連書評
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24色でできる!  はじめてのコピック背景:かんたんパターンから風景まで
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おもしろふしぎ日本の伝統食材3〜だいこん

 おくむらあやお・作。中川学・絵。萩原一・写真。
 日本でもっとも食べられているから日本でもっともおいしい野菜(異論は認めない)である、だいこんの料理方法を紹介する絵本。
 一般的な食べかたから始まって、地方の伝統料理や創作料理まで。どれを選んでも美味しそうで、飽きもきそうにない。

 だいこんのステーキで、焼かれただいこんの上にだいこんおろしが乗っている写真に笑ってしまった。
 さらに飾りの緑色はだいこんの葉である。
 だいずほどではないが、だいこんも万能なところがあるなぁ。

関連書評
そだててあそぼう21〜ダイコンの絵本 ささきひさし・へん つちはしとしこ・え

おもしろふしぎ日本の伝統食材〈3〉だいこん―おいしく食べる知恵
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MikuMikuDanceでPさんと呼ばれる本

 かんなP/ラジP/極北P/ポンポコP。
 フリーで3D動画を制作できるツール、MikuMikuDanceの解説書。この一冊で一通りの制作からアップロードまでの作業ができる内容になっている。
 2010年の出版なので古くなった部分もありそうだけど、基本は変わっていないはず。入門書として良さそうだ。

 エンコード関係の説明など躓きそうなところは、直接MikuMikuDanceの部分でなくても画像付きで詳しく説明してくれている。
 おかげで動画の規格が「箱」にすぎないことを知った。読める拡張子でも本当に読めるかはプラグイン次第というややこしいことになっているんだなぁ。
 なんでもフリーのツールで出来てしまえる環境ができていて凄い。メタセコイアでモデルを作る場合はシェアウェア版の使用を推奨していたけれど。

 数学的(あるいは物理学的)な説明など専門的と感じる部分も多々あって、ソフト制作者やPの知識に感心した。まぁ、制作するだけなら全てを網羅していなくても、なんとかなるはず。
 あまり苦手意識をもたずに、取りかかってみたい。というか、操作しながら読むべきだったのだが……。

MikuMikuDance でPさんと呼ばれる本
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そだててあそぼう71〜ソラマメの絵本 こぐれきよし・へん

 かとうまふみ・え。
 日本には天平時代に伝来。僧侶が中国からもってきたソラマメの絵本。
 米と小麦の収穫期の間にとれる貴重な作物として活躍してきたソラマメの歴史は古く深い。ソラマメで、もちやあんも作ることができるそうで、インゲンマメの利用方法を連想した。というよりも、新参のインゲンマメがソラマメのニッチを奪っているのかな?

 本来は種をつくりながら茎が伸び続ける「無限伸張性」をもっているが、人間が大きくなるように改良したタネとの間で栄養の奪い合いが起こって、うまく成長しなくなる点が興味深い。
 まだまだ品種改良は中途にあると考えてもよいのかもしれない。
 ところで、サヤの中にある白い「梱包材」を何かに利用できないものか。利用しようにも堅い皮を取るのが面倒くさいんだろうなぁ。

 絵は成人男性の鼻の穴をしっかり二つ描くところが特徴的だった。そのあたりはリアル志向ながら、幼児がとてもかわいく描かれている。

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ソラマメの絵本 (そだててあそぼう)
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そだててあそぼう47〜ホウレンソウの絵本 かがわあきら・へん

 いしくらひろゆき・え。
 アララト山あたりが原産。東と西に伝わるいつものコースだが、日本では東洋種が優位にある点で、ちょっといつもと違う部分のあるホウレンソウの絵本。
 ただし種の形状はあつかいやすい西洋系の丸い種でそろえられている。

 蓚酸カルシウムより肥料の硝酸が危ない。その情報だけを真に受けてしまうと肥料をやりにくくなってしまいそうだ。なかなか加減の難しいもので、薬も度がすぎれば毒となると考えるしかない。

 ホウレンソウに雄株と雌株があることも新鮮な情報だった。いちおう雌雄同株もあるのだが、交配のうえでは雄株として扱われているらしい。
 まぁ、若い葉っぱを食べる作物だから花をみる機会は滅多になさそうだ。でも、花をみるために育ててみるのも家庭菜園の楽しみかなぁ。
 種と書いているけど、実際は乾燥させた実というところもややこしくていい。

 ホウレンソウへの話しかけを推奨している(だけならまだしも葉が揺れて答えてくれると言っている)あたりは1926年生まれの著者なので……。

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そだててあそぼう46〜ピーマンの絵本 たかはしひでお・へん

 たけうちつーが・え。
 ごめんねピーマン、読むのが最後になって。
 栄養は豊富ながら嫌いな人も子供を中心に多いピーマン。その歴史はトウガラシから枝分かれしている。辛さのない甘いトウガラシがピーマンという話だが、いくら相対的なものでもピーマンの味を「甘い」と表現することに違和感を覚えた。どうしても苦いイメージがある。
 パプリカなどのカラーピーマンが流通してきて、そんなイメージも払拭されるのかなぁ。まだまだ人間とピーマンの関係は変化の可能性を残している。

 アメリカ大陸の暑い地域が原産地であるため、育成には高い温度が必要だ。水を大量に必要とする割には、じめじめには弱いあたりはなかなかワガママな作物と言える。追肥も必要だが、それは人間が実を大きくさせたせい。

 実が中空で傷つきにくいために、機械による選別や梱包が可能という視点が新鮮だった。
 無精な宮崎県の県民性にピーマンはあっていたそうで……あとがきのおかげで宮崎県民に対する余計なイメージまで育んでしまった。

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ピーマンの絵本 (そだててあそぼう)
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iPhoneアプリ完全大事典 2017年版 田中拓也・永田十八

 タイトルのとおり、iPhoneアプリを大量に紹介してくれる一冊。
 QRコードがついていて、読みとることでインストールページに飛ぶことができる。そのために紹介されているアプリが有料でいきなりハードルが設けられている感じだったが……検索して一緒に出てきた別の無料アプリをインストールした。ピント調節機能など、有料品の方が優れている可能性がある。

 とりあえず気になるアプリを片っ端から入れてみたのだが、あまり使いこなせる自信はない。そもそもアプリの内容を忘れそうなので本書を手放しにくい。
 こちずぶらりのコンセプトは素敵なのだが、日本の古地図は大都市のものに偏っていて親しみはもてなかった。もっと充実することを願う。
 Mars Globeも拡大があまり効かない。でもおおざっぱな地名を覚えるのにはよさそう。
 ゲームよりも知育関係に収録されている「ピタゴラン」みたいなアプリが興味深い。昆虫と鳥の図鑑はダウンロードした。NHKのコダモンはちょっと子供だましがすぎたけど。花しらべも有料ながらほしいアプリである。
 ひとまず角川類語新辞典と一緒に値引きが通知されるCatchAppに放り込んでおいた。

 インストールしたアプリにふりまわされず、うまく使いこなせるといいなぁ。クラゲ育成だけ残ったりして……。

今すぐ使えるかんたんPLUS+ iPhoneアプリ 完全大事典 2017年版 [iPad/iPod touch対応]
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全訳「武経七書」1 孫子・呉子 守屋洋・守屋淳

 武経七書としての孫子・呉子。まえがきで孫子とその他の間にある格差が紹介されている。特に司馬法と李衛公問対は数十年あたらしい本が出版されていなかったそうで……私もこのシリーズでしか読んだことがない。ただし、書き下し文だけならインターネットで読める。

 1巻はもっとも有名で人目に触れている孫呉の訳だが、それだけに訳の性質が読みとれた。
 最初に書かれている日本語訳は意訳の傾向が強い。すらすらと読めて理解しやすいが、頭を使って噛み砕く感じは弱くなる。そういう時は解説の後にある書き下し文を読めばいい。他の本との訳を比較するためにも書き下し文はあった方が助かるのだが、訳者は前書きで「書き下し文と漢文はなくてもいいけど、一部の好事家用につけた」と述べている……まぁ、自分が好事家であることは否定しない。
 自分もしょうじき漢文はまともに目を通していないが情報の圧縮されぶりをみるのは楽しい。
 孫子と呉子はそんなに文字数に大きな差はなかったと思うのだが、本書で占めているページ数は大きく違っている。孫子の方が熱心に解説され、翻訳もかんで含めるところがある。
 歴史的な扱いの差に切なくなると同時に、呉子が硬派でカッコいい気もしてくる。

 呉子は理想とする軍事と、本人が行わなければいけなかった軍事に差がある。戦いを避けるべきと自分が分析する要素をもつ相手(秦)と正面からぶつからざるをえなかったし、充実をもとめた政治へ口出しできる権限も完全ではない(魏の時代は特に)。
 そんな状況で結果を出したからクールだし、兵家でありながら陰謀に倒れても名誉を保てるのかもしれない。

 あと、料敵編の戦うべきではない敵の例は、戦争を防止する軍備を整えることを考えるうえでも役立つ気がした。ただし、「敵」がちゃんと諜報活動をしてくれる場合に限る……。

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よみがえる中国の兵法 湯浅邦弘
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全訳「武経七書」司馬法・尉繚子・李衛公問対 守屋洋

[新装版]孫子・呉子 (全訳「武経七書」)
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おもしろふしぎ日本の伝統食材10〜海そう

 おくむらあやお・作。中村学・絵。萩原一・写真。
 日本人が昔から食べてきた海藻。世界でも最も海藻を食べる民族だと解説しているが、沖縄料理も載っており琉球民族と大和民族の比較はしていないっぽい。アイヌも結構食べたのではないかなぁ。
 日本の地理的な環境と自生する野菜の貧しさが海藻食を後押ししたらしい。
 それにしても、前処理に10時間煮るなどが必要な海藻まで食べる意欲には驚嘆させられる。

 料理はいろいろな海藻の料理を一品ずつ紹介する感じになっている。
 寒天とところてんの関係がはじめて分かった。寒天の名産地に、海のない長野県の茅野市があげられている事実。物流が発達した時代でなければ寒天は成り立たなかったということか。

 見た目のこともあって、むちゃくちゃ美味しそうと感じる料理は少なかったが、写真をみているだけで風味が口の中に浮かび上がる気がした。

おもしろふしぎ日本の伝統食材〈10〉海そう―おいしく食べる知恵
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