日本の地下で何が起きているのか 鎌田浩毅

 岩波科学ライブラリー266
 火山学者の著者による防災啓蒙書。大災害時に生き延びるための心構えや基礎的な地震や火山の知識が説明されている。

 しかし、活断層と地震断層の用語説明が正反対になっていた。著者の説明では地表地震断層って言葉が意味不明になりかねない。マグニチュードも1あがると約32倍で、2あがると正確に1000倍なのに、「約」をつけるほうが逆になっている。
 どうしてこんな間違いを?

 東日本大震災から日本中の活断層や火山がうごめき出しており、日本列島は活動期に入ったと言われる。いつ収まるのか生きているうちには期待できないくらいかもしれないが、活動期でなくても南海トラフ地震などは定期的に襲ってくるので(活動期だぞ)という心構えを持っていた方が防災にはいいかもしれない。
 それにしても連動地震による被災者6000万人の予測はすさまじい。まさに国家存亡の危機になるし、各地の原発がコントロールできるのか非常に心配にもなってくる。
 発電所については破局噴火の方がもっと怖い。いざというとき東日本に逃げるためのイメージトレーニングを勧めていたが、うまく行くとしたら海路かな……趣味でヨットを持っていると命が助かるかもしれない。
 住所の選択もしかり、資産のあるほうが命を守りやすい現実も意識せざるを得なかった。それでも自分ができる範囲で準備している人は、大金持ちでもなんの準備もしていない人より生き延びやすいはず。

関連書評
南海トラフ地震・大規模災害に備える 田結庄良昭
中世の巨大地震 矢田俊文 吉川弘文館
スロー地震とは何か 巨大地震予知の可能性を探る 川崎一朗

日本の地下で何が起きているのか (岩波科学ライブラリー)
日本の地下で何が起きているのか (岩波科学ライブラリー)
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池や水とあそぼう 校庭の自然とあそぼう7 やまだたくぞう

 ひらのてつお・え。
「皇帝の自然とあそぼう」と誤変換されて、ものすごい光景をイメージしてしまった。空中庭園でゾウやトラが普通にいそうだな。
 そんなことはないけれど、学校の校庭に池を掘ってしまって、いろいろな動物をよびあつめることを勧める本である。在来生物・外来生物とかは気にしていない。

 アメリカザリガニの脱皮時に磁鉄鉱を体内に取り込ませて平衡感覚を狂わせる遊びをしちゃおうと勧めるところに懐かしいものを感じた。
 しかし、ねらって体内に磁石を取り込めば地磁気を感知できる生物が生まれるかもしれず、渡り鳥などの進化についてひとつの仮説につながる?

 銅(緑青)に毒があると書いている点が微妙で、ボウフラなど種によっては影響を受ける生き物は確かにいるものの、人体には無害であることは証明されていると説明してほしかった。

関連書評
新訂 水生生物ハンドブック 刈田敏三

池や水とあそぼう (校庭の自然とあそぼう)
池や水とあそぼう (校庭の自然とあそぼう)
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土や石とあそぼう 校庭の自然とあそぼう6 やまだたくぞう

 どいかや・え。
 砂や粘土の定義が理学系ではない。おそらく農学関係の定義が使われている。工学関係の定義もあってややこしいのだ。

 身近な土や石をつかった遊びを紹介している絵本だが、石を打ちかいて石器を作る作業は危険がともなう。ゴーグルを使うことを注意してはいるけれど、万が一がありうる。危険が危ないざます。
 自分が親だったら、せめて子供と一緒に読んで、本書に影響を受けてこういうことをする可能性があることは知っておきたい。まぁ、なかなかワイルドである。

 粘土を使った土器づくり、特に土の鈴づくりは創造性を刺激するのにも良さそうだった。火打ち石もあるし、このあたりのことを実体験しておくと歴史教育の効果が高まるのではないか。
 そんなことを意識せず(できるだけ安全に)楽しんでくれれば、それで十分なのだけど。

関連書評
そだててあそぼう40〜土の絵本ゴ超をまもる土
そだててあそぼう105〜肥料と土つくりの絵本5いろんな資材を生かそう

土や石とあそぼう (校庭の自然とあそぼう)
土や石とあそぼう (校庭の自然とあそぼう)
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雪崩教本 雪氷災害調査チーム&雪崩事故防止研究会

 那須の雪崩事故を思い出して手に取った。しかし、最初にあの事故について触れられることはなく、途中でさらりと言及されている程度だった。
 と思ったら、あとがきでしっかり言及されていて、那須の雪崩が本書が書かれた動機だと述べられている。
 ひとつの事例で先入観を与えると一般化への障害となるため、あえて触れない内容にしていたと思われる。トランシーバーの使い方を説明するにも、彼らは持っていなかったし……捜索方法の詳しい説明から、ないなんて論外みたいな雰囲気を感じた。
 と言ってもプロープを使ったローラー作戦的な要救助者の捜索方法も説明はされている。スピードが生死をわける状況で、人手がないといかんともしがたい捜索方法は厳しい。
 雪崩に遭遇した直後の混乱状況で、整然と書かれた捜索方法を実行できると自分を基準に考えてしまうと自信が持てなかった。トランシーバーの画面に表示される通りに動けば捜索を始められるなら、そういう点でも助かる。

 雪崩の物理的な背景やいろいろなテスト方法の解説なども載っていて、薄い割にもりだくさんの本になっていた。
 なんとしてでも雪崩による死者をなくしたいという著者たちの志が伝わってきた。

関連書評
災害とたたかう5〜地すべりとなだれ ジェーン・ウォーカー
自然地理のなぜ!?48 松本穂高

雪崩教本 雪崩対策必読の書 Avoid a Avalanche Crisis
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仕事、人生がはかどる!ふせんの技100 舘神龍彦

「人呼んでふせん大王」の著者が書いたいろいろなふせんの紹介と利用方法の本。まじめなものから、ユーモアのあるものまで、場面によって使えるふせんが整理されている。
 本書を書くためにもふせん術を駆使したと後書きに書いてあった。

 ふせんのひとつひとつは数百円なので、試しにちょっと買ってみたいと感じるふせんもいくつかあった(が、ふせんしていないのであった)。ふせんの指示する部分が分離式の矢印でわかりやすくなる「ココサスフィルム」は「十三世紀のハローワーク」を読み返すときに使ってみようかなぁ。
 腕に巻くふせんドケットウォッチはギャグとしか思えない。でも、評価はおもしろとまじめの中間扱いだった。

 使う製品が極端に限定されないふせんを使った小技や思考法なども紹介されていて、こちらは手持ちのふせんで直ぐにはじめることができる。
 ふせん用の「ホルスター」とも言うべきアイテムまで発売されていて、ふせんマニアの凝りっぷりが感じられた。

関連書評
手書きPOPで売場カイゼン! 石川香代

ふせんの技100 (エイムック 3484)
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東洋ファンタジー風景の描き方 ゾウノセ・藤ちょこ・角丸つぶら

 pixivでフォローしている方のイラストが表紙に!
 そんな驚きから手に取った一冊。作画ソフトCLIP STUDIO PAINT PRO/EXを使用して魅力的な風景を描く方法を指南してくれている。ラフの時点で圧倒されてしまうし、もう完成しているとしか思えない段階でも仕上げが残っていたりして、著者たちのすごさが伝わってきた。

 角丸つぶら氏は編集的な仕事らしく、イラストを紹介して使い方を説明しているのはゾウノセ氏と藤ちょこ氏だ。
 あとがきで著者自身が語っているが、同じ東洋ファンタジーイラストを描いていてもアプローチや段取りがそれぞれ違っていて興味深かった。
 ゾウノセ氏は写真テクスチャを積極的に使用して、イラストの情報量を高めている。ふつうの写真で幻想的なイラストが強化されている。
 藤ちょこ氏はゾウノセ氏とは違ってキャラクターから描き始めている。登場人物に自分なりの設定をしていたりして裏話が読めるのもおもしろかった。
 あとがきによればゾウノセ氏は理論派で、藤ちょこ氏は感覚派の傾向があるらしい。が、藤ちょこ氏が3点パースの絵を描いていたりもする。あくまでも傾向である。

 視線誘導の意図などは自分が解説で意図されている通りにイラストを見ていなかったことが分かったりした。その理由を考えるのも得るものがあるかもしれない。

関連書評
動きで見る民族衣装の描き方 シーン別描き分けのコツ248パターン 玄光社
24色でできる!はじめてのコピック背景 ばびりぃ

東洋ファンタジー風景の描き方 CLIP STUDIO PAINT PRO/EX 空気感のある背景&キャラのなじませ方
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危険生物ファーストエイドハンドブック海編 NPO法人武蔵野自然塾

 海の毒を持つ生物は陸よりも危険。ハブの数十倍の毒をもつウミヘビが平然と出てくる。
 自分はあまり海の生き物に縁がないのだけど、フィクションを通していくつかの危険生物を知っていた。

 テトロドキシンをもつヒョウモンダコは推理の絆の小説版で、エラブウミヘビ(おそらく)は名探偵コナンで、ゴンズイは釣り屋ナガレで、ノコギリガザミはガタガールで登場している。
 やはりミステリー作品に現れる確率が高いかな。逆に考えればミステリー作品の材料に海の有毒生物を調べておくといいかもしれない。

 知らなかった生き物ではイモガイが目新しくて怖かった。海には毒矢を撃って刺してくる動物が多い。棘であっても、致命的な威力の毒がついていて、まったく油断ならない。
 遭遇する確率は低くても、ある程度は意識しておきたいものだ。

 ハブクラゲの刺胞を無力化するために酢が有効だが、ウンバチイソギンチャクなどには酢はNG。他にも真水で洗うと刺激で刺胞が活動する生物が多いので最初は海水で洗い流すことなど個別に覚えるべきことが多かった。

関連書評
危険生物ファーストエイドハンドブック陸編 NPO法人武蔵野自然塾

危険生物ファーストエイドハンドブック 海編
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武蔵野に海はなさそうだけど?
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危険生物ファーストエイドハンドブック陸編 NPO法人武蔵野自然塾

 危険生物に加害されたときの初期対応をまとめたハンドブック。非常に危険なスズメバチから、毒はないが棘が刺さる植物まで、日本の陸地に生息する危険生物がまとめられている。

 さわるだけでかぶれるカエンダケが怖い。触ろうとは思わない見かけをしているが、覚えやすいだけに覚えておきたい。
 イラガとヤマビルにはやられたトラウマがあるので、写真をみるのも辛かった。ヤマビルはナメクジと同じく塩をかけても倒せるのだが、その方法は書かれていなかった。二酸化炭素に反応して近づいてくるという生態も嫌悪感を強めるなぁ。

 対応については同じパターンになっているものも多くて、それほど種類があるわけではない。危険に近づく前に、可能性のある生物の部分を読んでおくと良さそうだ。

関連書評
毒草を食べてみた 植松黎
毒の科学〜身近にある毒から人間がつくりだした化学物質まで 齋藤勝裕

危険生物ファーストエイドハンドブック 陸編
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カテゴリ:ハウツー | 00:02 | comments(0) | trackbacks(0)

世界遺産ナスカの地上絵 完全ガイド 地球の歩き方

 有名なハチドリよりもサギが大きく、サギよりもグンカンドリが大きい。ナスカの地上絵を紹介してくれるガイドブック。
 遊覧飛行や近隣のホテルなどもわかりやすく説明してくれているところは、さすがに「地球の歩き方」シリーズである。
 ペルーに行くためにはアメリカを経由せねばならず、さらにナスカまでは長距離バスで7時間とのこと。時間的にも思ったよりも遠い国だった。マチュピチュも行くのは大変そうだなぁ。

 地上絵も興味深いが、ナスカ期の陶器がその比較対照にたくさん出されているところが良かった。おかげで地上絵のモチーフがナスカ人にとってポピュラーであったことが分かる。
 首級の表現が多いところは、なかなか怖い。
 比較して考えることで日本にも首をあげる文化はあったのに、あまり芸術品のモチーフにされていない理由が気になった。仏教が防いでいたのかな?

世界遺産 ナスカの地上絵 完全ガイド (GEM STONE 45)
世界遺産 ナスカの地上絵 完全ガイド (GEM STONE 45)
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12か月栽培ナビ5〜ブルーベリー 伴琢也

 庭で娯楽をかねて栽培するのにとても向いた果樹ブルーベリーの栽培方法を指南してくれる本。
 一ヶ月ごとにやることが整理されていて、作業の指針が立てやすい。果樹なので三年目までは収穫を我慢する必要がある(ただし、苗の段階で二年や三年育ったものを買うことができる)。
 生活に落ち着きがあって見通しの立つ人の趣味であることも間違いないかなぁ(五十年以上収穫できるらしい)。でも、引っ越しの多そうなアメリカ人が育てている。経済的な栽培以外の事情はあまり見えてこなかったが、アメリカ人もいろいろと考えるのが適当だろうな。

 実は一種類の植物ではないブルーベリーの品種は多く、大きくは耐寒性によって分類されている。
 雪の重みで枝が折れる可能性が指摘されていて、あらためて雪国の大変さを感じてしまった。これだけ作業の手間が多いのに、雪のない地域と同じ土俵で競争しなければならない高度な流通社会っておかしくないのか?
 そんなことまで考えた。

 品種についてはブルーベリーを試食しながら選べる苗屋さんがあると良さそうだ。

ブルーベリー (NHK趣味の園芸12か月栽培ナビ(5))
ブルーベリー (NHK趣味の園芸12か月栽培ナビ(5))
カテゴリ:ハウツー | 11:22 | comments(0) | trackbacks(0)
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