地球消滅の日〜その時、人類は… ナショナルジオグラフィック

 ヨハネ黙示録+ノアの箱船。聖書中毒患者が好みそうなテーマを、中性子星の接近というSF仕立てにしたフィクション。
 脱出船の名前を「アーク」と名付けた時点で、啓典の民以外は乗せてもらえない空気がぷんぷんする。そういう微妙なニュアンスひとつで人々がヤケクソになって自殺的行為に走りかねない状況なのに、のんきなものだ。
 世界中の工場からアークの部品をあつめて宇宙で組み立てると聞いて、アメリカの工場が用意したインチ系の部品が適合しなくて人類滅亡の未来が見えた。
 このような状況になったらまず最初にするべきことは度量衡の統一である。

 脱出するべき人々の選別や金持ちが自分たちだけを脱出させるために宇宙船を建造させるところなど、なかなかブラックだった。反物質ロケットが地上で爆発したら、それだけで人類滅亡しないかなぁ。
 アークに乗れない人も遺伝情報だけは持って行ってもらえる可能性はありそうだ。ローテクなら凍結した生殖細胞の形で、ハイテクなら遺伝情報を電子化して。
 まぁ、仮にアークの発進が成功したとしても植民が成功するかは未知数で前途多難である。

 内部がスペースコロニー状になって25万人が乗れるアークの姿には、SF漫画シドニアの騎士のシドニアも思い出した。

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ナショナル ジオグラフィック 地球消滅の日 その時、人類は・・・ [DVD]
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カテゴリ:ナショナルジオグラフィックDVD | 22:45 | comments(0) | trackbacks(0)

ビジュアル図鑑 写真で比べる地球の姿 ナショナルジオグラフィック

 災害と環境変動。美麗な写真なのに見ていて気分が暗くなる……本書ではだいたい同じ場所の写真を変化の前後で撮影することで、地球に起こった変化を視覚的にわかりやすく伝えている。
 日本における地震や津波の写真もあって、ちょっと辛かった。めずらしく復興の様子が写されているのも日本だったりするのだが。

 特に深刻に感じられたのは水に関係する問題で、湖が干上がったり、砂漠化が進行したりして、土地が過大な人口を養えなくなってきている。
 世界と比べれば日本は驚くほど水が豊富と感じられてしまうのだった――四国では多少の水不足が発生することはあるが。

 水が非常に貴重な時代が来たら、日本に水のパイプラインをつくって大陸に輸出できないかなぁ。川が小さいから難しい?オランダのアイセル湖みたいに、湾を締め切って巨大な淡水の貯水池をつくってしまい、そこから水パイプラインで輸出――海洋生態系の破壊がシャレにならない。
 しかし、カタールやシンガポールにおける大規模な埋め立て工事をみていると、ついつい壮大すぎるプロジェクトを妄想してしまう。オランダは維持費に悲鳴を上げて一部を海に戻したりしているらしく、埋め立てによる領土拡張の未来もわからない。浚渫のせいで海岸の浸食が激しくなっている事例も最後には取り上げられていた。

 いろいろ考えさせられる雄弁な写真や衛生画像のとても多い本だった。
 火山活動で島の首都プリマスを失って北のブレイズに遷都したカリブ海の英国領モントセラト島は日本の未来かもしれないなぁ。地方議員が視察という名の外遊に行くなら、モントセラト島に行ってほしい。

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気象大図鑑 ストーム・ダンロップ/山岸米二郎
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ビジュアル図鑑 写真で比べる地球の姿
ビジュアル図鑑 写真で比べる地球の姿
カテゴリ:ナショナルジオグラフィックDVD | 18:45 | comments(0) | trackbacks(0)

突撃!あぶない科学実験〜身近なものの意外なパワー

 ナショナルジオグラフィック
 驚いた。
 アメリカ人って、かなり空気を読むんだな。他の人が自分の思っていた答えを選んだらあえて別の答えを選んでみせる。番組が白けないように、わざと答えがわからないフリをする。
 日本人よりも気を使っているかもしれない。そういう視点になるとウェーイなノリも意味が違って見えてきた。

 しかし、宝石屋がダイアモンドの燃焼反応を知らなかったフリをするのは、やりすぎでは……商売人としての信用に関わってしまう。
 人目で本物とイミテーションを見分けているところは流石だった。あと、燃やしたダイアは人工ダイアだよね?

 テルミットを使った耐火度確認やプラスチック爆薬を使ったモンロー効果の実験はとても真似できない。しかし、ビンの中からコルクを引っ張り出すナゾナゾあたりは宴会芸にもよさそうだった。そして、重曹と酢のロケットが子供にも真似できそうだから危険だ。
 90mもミサイルを飛び上がらせた化学反応を、何かでネタにできないものか。

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ナショナル ジオグラフィック 突撃!あぶない科学実験 身近なものの意外なパワー [DVD]
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残念なことにオープニングに使われている掃除機一つで車をもちあげる実験が載っていない。おおよそ想像はつくが。
カテゴリ:ナショナルジオグラフィックDVD | 09:51 | comments(0) | trackbacks(0)

森の建築家ビーバー物語 ナショナルジオグラフィックDVD

 不労所得的にウマウマ生活していると思いこんでいたビーバーが、こんなに苦労していたなんて!
 ……夢を見させてよ。
 ダムが完成してしまえば確かに安定した生活が待っているのだが、それゆえにダムからの巣立ちが非常に厳しいものになってしまっていたビーバーの物語。
 しかも、巣の適地はほとんど利用され尽くされていて新米には厳しい場所しか残されていない。タイミングよく前の縄張りの持ち主が事故死したところに入り込めなければ、たいへんな苦労をすることになる。

 ビーバーが作り出した池の周りにはたくさんの集まり一つの生態系を形作っている。WIN-WINと言いたいところだが、巣の材料にされる植物はさすがに喜べないか?
 ビーバーがニッチを作ってくれたおかげで、ビーバーに食べられながらも生育する場所を確保できている植物はありそうだった。ビーバーが住む池の名前にも使われている柳などはその口であろう。

 ビーバーは切り倒す木が水場の近くになくなったら、そこにアクセスするまでの運河を自分たちの力で掘ることまでする。驚くほど賢い。人間並みの知性がなくても、火星に運河の模様を描くことはもしかしたら可能なのかもしれない。

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ナショナル ジオグラフィック 森の建築家 ビーバー物語 [DVD]
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カテゴリ:ナショナルジオグラフィックDVD | 21:04 | comments(0) | trackbacks(0)

テオティワカン〜消えた古代文明の謎 ナショナルジオグラフィックDVD

 メソアメリカにあった巨大な都市テオティワカン。アステカ文明がそこを知ったときには無人の廃墟になっていたそこの謎に考古学調査によって迫る。

 太陽の神殿や月の神殿がアステカ人が名付けたもので、そこに住んでいた人々が名付けたわけじゃないことを知った。あまり名前のイメージに引きずられないように気をつけないと間違った認識を持ってしまいそう。
 日本でいうと山城の曲輪につけられた名前みたいな感じだ。

 テオティワカンは平和の都。巨大なピラミッドの建設にも民衆が自発的に参加していた――そんな雰囲気で進んでいた話が、突如として人身御供の発見で変わってしまった。
 最後は兵士用の住居まで出てきて楽園を楽園のまま続けることの難しさを感じさせる。

 対処不能なほどの人口集中による破滅という仮説が正しいならば、現代の巨大都市計画者にも参考にして欲しい遺跡である。

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ナショナル ジオグラフィック[DVD] テオティワカン 消えた古代文明の謎
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カテゴリ:ナショナルジオグラフィックDVD | 22:59 | comments(0) | trackbacks(0)

シルクロード憧憬〜鄭和 大艦隊を率いて西へ ナショナルジオグラフィック

 写真家のマイケル・ヤマシタ氏が中国で建造された木造船に乗って、鄭和のとった航海路をたどっていく。そして、行く先々でエキゾティックな光景に出くわす。

 インドネシアのジャワ島スワランでは鄭和が神として祀られていて、いまでも大規模な祭りが盛大に行われていた。
 中国国内なら関羽を連想するけれど、国外で神になってしまうとは凄い。しかし、中国の明王朝的には絶大な力が国家じゃなくて個人に紐付けされてしまったことを示していて、失敗例と考えられる。
 鄭和が皇帝の臣下として生きているうちは良いが……どうせ海外進出方針は放棄されたので、神になって繋がりを残してくれた方がお得である。

 鄭和の部下バカンの航海日記によって当時の様子が生々しく伝わってくるのも良かった。気候風土がもたらす根本的な要素は意外とあまり変わっていない印象を受ける。特にそういう地域を選んで撮影している可能性もあるけれど。

 鄭和について考えるときに、彼がイスラム教徒であったことは非常に大きな要素になっている。インドから西は基本的にイスラム圏への航海を行っていて(スワヒリ都市のザンジバルもイスラム圏だ)アラビア語がコミュニケーションに役立ったはず。
 明帝国の大航海を助けたのはイスラム教と考えられなくもないが、商人の宗教だからあり方としては正しいのかもしれない。

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永楽帝〜明朝第二の創業者 世界史リブレット人038 荷見守義

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ナショナル ジオグラフィック シルクロード憧憬 【写真集2冊+DVD2枚】
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カテゴリ:ナショナルジオグラフィックDVD | 23:06 | comments(0) | trackbacks(0)

恐竜絶滅の日 ナショナルジオグラフィックDVD

 恐竜絶滅の実際を再現実験を元に明らかにしていく。
 爆薬を炸裂させたり、高速でガラスの弾丸を砂に撃ち込んだりと、なかなかパワフルかつ大雑把にも感じられる実験が行われている。植物を植え込んだコンテナを加熱炉の内部につっこむ実験もあったな。
 やはり問題は巨大隕石の衝突になった場合のスケールアップで、コンピューターシミュレーションに使える基礎データを得るための実験という側面が強そうだった。
 津波の発生などについては、いきなりシミュレーション的な映像から始まっていて、後から内陸300kmの津波堆積物に触れている。マグニチュード12の地震は想像しがたいものがある。

 衝突のダメージは破滅的だが、地下に潜り込んでいれば地面の表面温度が800度でも、深さ12cmでは41℃、25cmでは35℃までしか上がらないらしい。
 さらに大型動物の焼死体が焼き肉となって生き残りを助けてくれたんじゃないかと言われていた。植物が復活しはじめてからは、そちらを食べたはずで、やはり雑食性の動物が生き残りやすかったのかな。
 草食性でも種子などを食べる手はありそうだ――当時から種子を貯蔵する生態をもった動物はいたのかな?イメージ的にはふつうにいそうだけど。

 小惑星激突の派手なCGが楽しめる映像資料だった。肉眼でみる立場にはなりたくないというか、肉眼で観ようとしたら衝撃波で死んでしまうに違いない。

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ナショナル ジオグラフィック 24 HOURS AFTER 恐竜絶滅の日 [DVD]
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カテゴリ:ナショナルジオグラフィックDVD | 00:47 | comments(0) | trackbacks(0)

奇跡の惑星 地球vol.3大地の誕生 ナショナルジオグラフィック

 大地の誕生とサブタイトルをつけながら、ある意味で大地の消滅を描いている……水を代表とする営力による浸食が話の中心になっている。
 しかし、死は生のはじまりで、削られた大地から堆積岩が生まれてきているのも事実。その辺は輪廻の考えに親しんでいる文化圏の方が理解しやすそう。

 死んだらおしまいなのはナイアガラの滝から樽に乗って飛び降りる人たちで、15人中10人が生還……つまり、3分の1は亡くなっている蛮行だった。
 なにが彼らを駆り立てるのやら……世界は広いとしか言いようがない。
 北米に存在した巨大な氷河湖は何故か名前を出せてもらえていなかった。確認したらアガシー湖である。ど忘れしていた。

 最後のあたりには水じゃなくて風による浸食も出てくる。砂漠のロケーションとして、寒流に接している海岸があげられなかったことが少し不満だ。ナミブ砂漠もおもしろい土地なので。

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DVD 奇跡の惑星 地球
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カテゴリ:ナショナルジオグラフィックDVD | 00:39 | comments(0) | trackbacks(0)

奇跡の惑星 地球vol.2海の誕生 ナショナルジオグラフィック

 地球の7割をおおう海をめぐる物語。
 体積的には大したことのない海洋であるが、地球の気象にとって決定的な影響力をもっていることが理解できる。
 500万年前のパナマ地峡の閉塞によって、メキシコ湾流がパワーアップし、ヨーロッパ地方が暖められた。そして、意外なことに氷のなかった北極に、氷床を生み出すことになった。
 同じ理屈で地球温暖化によって北極の氷が拡大してくれないのは何故なのか。地球のシステムはとにかく難しいし、実際に変化してみないとわからない部分もある。さいきんのシミュレーターは凄いけど。
 氷上生活をおくるホッキョクグマは500万年前までは生まれることすらできなかった。同じく人類もパナマ地峡の誕生に強烈な影響を受けているのであった。
 そして、地球の未来も海が握っていると綺麗に話をまとめていた。

 過去にさかのぼればスノーボールアースがあり、氷の厚さは800メートルに及んだかもしれないとか、地中海が一度干上がったことがあるとか、おもしろい話題を取り込んで視覚的にみせてくれていた。
 大西洋から地中海に流れる水で水車をまわしたら、ものすごいエネルギーが得られそう。逆に排水しようとおもったら、超強力なポンプが必要だ。
 それをやってのけた太陽エネルギーの隠された力と、時間の威力も感じるエピソードだった。

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カテゴリ:ナショナルジオグラフィックDVD | 00:36 | comments(0) | trackbacks(0)

奇跡の惑星 地球vol.1マグマの力 ナショナルジオグラフィック

 無機物の面からみた地球のダイナミックな姿。プレートを動かすマグマの力が理解できる……いや、マントルは溶融していないので厳密には「マグマ」じゃないのだが……まるでプレートの下がすべて溶けているみたいな説明の部分があって首をかしげた。まぁ、外核までもぐれば溶けているな。

 大陸移動の説明で「ヌーナ」が出てきて懐かしい気分になった。映像で大陸の離合集散をわかりやすく示してくれていてありがたい。
 あの部分だけ繰り返しみた地球科学者がいそうである。

 地質学的に危険な東京とサンフランシスコが「死を待つ都市」だと名指しされている。歴史的な経緯があるので、よけいなお世話といいたくなる気持ちを飲み込んで東京の防災体制をみなおしてほしいところ。
 できれば首都機能の分散もしてほしいものだ。

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カテゴリ:ナショナルジオグラフィックDVD | 00:34 | comments(0) | trackbacks(0)
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